Typeformとは？
Typeformは、2012年にスペインのバルセロナで設立された企業が提供するオンラインフォーム作成ツールです。直感的なユーザーインターフェースと視覚的に魅力的なデザインを特徴としています。Typeformは一問一答形式のフォームを作成することができ、またドラッグアンドドロップ機能やビジュアルエディターにより、技術的な知識がなくても簡単にフォームを作成できます。
Typeformの人気の理由は、その直感的なインターフェースと視覚的な魅力、そして幅広いインテグレーション（外部ツールとの連携）にあります。動的なデザインやアニメーションを取り入れて、ユーザーのフォーム記入体験を向上させ、パーソナライズされた質問を通じて顧客の人物像深堀りに役立てることができます。
世界中で数百万のユーザーがTypeformを利用しており、企業、教育機関、非営利団体など、多岐にわたる分野で活用されています。多言語対応もしており、特に英語圏での利用が広がっています。Typeformの使いやすさと多機能性が評価され、多くのユーザーに支持されています。
Typeformの特長とメリット
Typeformは、直感的で使いやすいインターフェースを持つインタラクティブフォーム作成ツールとして広く知られています。以下に、Typeformの主な特長とメリットを紹介します。
一問一答形式のフォーム入力
Typeformが世界中の人々の間で愛用されている最も大きな理由の一つは、今までありそうでなかった一問一答形式のフォームが中心である点です。従来的なフォームでは全ての質問項目が1ページに表示されるため、質問の項目が多い場合回答者は心理的に負担を感じてしまい離脱につながることがありました。しかし一問一答の形式にすると、ステップバイステップで質問を投げかけることができるため、回答者は眼の前の質問に集中することができます。
このように一問一答形式のインタラクティブなフォームにすることの利点には以下のような点が挙げられます。
- ユーザー体験の向上：
インタラクティブフォームは、直感的で魅力的なユーザー体験を提供します。視覚的な要素やアニメーションを活用することで、ユーザーはフォーム入力のプロセスを楽しむことができます。 - エンゲージメントの向上：
一部調査によると、パーソナライズされた体験はユーザーエンゲージメントを向上させることが示されており、一問一答形式のインタラクティブフォームは、ユーザーが個別に対応されていると特別感を感じるように設計されるため、ユーザーの回答意欲を高めます。また質問に答えた直後に次の質問が表示されるため、アクションの継続を促進することにも繋がります。 - データの質の向上：
一度に一つの質問を表示することで、ユーザーは質問に集中しやすくなり、正確な回答が得られやすくなります。複雑な質問を複数のシンプルな質問に分解しても離脱を抑えやすく、より正確なデータが得ることに繋がり、全体として収集されるデータの質が向上が期待できます。
見たまま操作が可能な編集画面
Typeformの特長の一つは、その魅力的で使いやすいユーザーインターフェースです。シンプルで直感的なデザインは、ユーザーにとって操作が簡単であり、ストレスなくフォームを作成・回答することができます。フォームの作成はドラッグアンドドロップで簡単に行え、技術的な知識がなくても高度なフォームを作成できます。
またビジュアルエディターを通してリアルタイムでフォームのデザインを確認しながら編集できるため、思い通りのフォームを簡単に作成することが可能です。
複雑な条件設定やロジック・ジャンプ
通常の条件分岐の質問を用意するだけでなく、AND・OR検索を組み合わせて表示させる次の質問を複雑に出し分けることができる点もTypeformが人気を集める理由の一つです。一部の回答を選択したユーザーに対しては質問の打ち切りを行う「ロジック・ジャンプ」や、入力内容によってその後の質問を場合分けすることも可能です。
またこれらの条件設定を、見やすいエディター上で視覚的に再現しながら行うことができる点が世界中で多くのユーザーに愛用されている秘訣ともいえます。
インテグレーションの豊富さ
Typeformはマーケティングやタスク管理ツール、メールマガジン送付ツール・メッセージアプリなど様々なシステムとの連携を行っているため、回答を集め・Typeform上で分析するだけでなく、集めたデータを活かしやすい環境がそれっている点が人気の秘訣といえます。
HubspotやMailchampなどと連携すれば、Typeformから集めた回答者情報に対してメールマガジンを送付できるためリード情報の取得に役立ち、またTrelloやJiraと連携すれば、顧客のリクエストをすぐさまタスクに変換することができるため、お客様サポートなどの場面でも活躍します。
インタラクティブフォームの人気が高まっている理由
このようなTypeformに代表されるUX・UIを重視したインタラクティブなフォームが世界中で多くの人に愛されている理由には、以下のようなものが考えられます。
モバイルデバイスの普及
スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスが広く普及したことは、インタラクティブフォームの人気を押し上げる大きな要因となっています。モバイルデバイスの普及に伴い、ユーザーはいつでもどこでもインターネットにアクセスできるようになりました。
従来的なフォームは全ての項目が1ページに表示されるため、表示範囲のモバイルデバイスでは情報過多になりがちですが、モバイルフレンドリーに設計されているインタラクティブフォームでは情報を整理して出し分けることができるため、スマホユーザーにとって最適な体験を提供します。これにより、ユーザーは移動中や隙間時間にフォームに回答することが容易となり、回答率の向上やきめ細かな配慮に対するブランドへの信頼度向上にも繋がります。
顧客体験（CX）を重視する傾向の加速
消費者の価値観が変化し、単なる商品の所有よりも、体験やストーリーに価値を見出す「コト消費」が重視されるようになりました。企業は製品やサービスを通じて、顧客に独自の体験を提供することが重要になっています。企業はこういった顧客の思考変化に対応すべく、顧客体験を通じてブランドの価値を伝える必要に迫られ、インタラクティブフォームは、この顧客体験（CX）を向上させるための有効なツールとして注目されています。
ユーザーの期待値の変化
インターネットの普及とともに、顧客の期待も高まりました。顧客は迅速なサービス、個別対応、高品質な体験を求めるようになり、企業はこれらの期待に応える必要があります。インタラクティブフォームは、これらの社会的な動きに対応し、企業が優れた顧客体験を提供するための重要なツールとなっています。顧客体験を重視することで、企業はブランドロイヤルティを高め、競争力を維持することができるのです。
Typeformの利用方法
まずはTypeformのWebサイト（https://www.typeform.com/）にアクセスし、アカウントの作成へと進みます。メールアドレスやGoogle・Microsoftのアカウントを使用してアカウントを作成することができます。
アカウントの作成後、利用目的などを聞かれる簡単な質問画面が表示されます。選択する内容によってアカウントの中身が大きく変わるなどのことはないため、回答に迷う場合もどれか一つ回答して先に進むのが無難です。
次にどのような方法でフォームの構築を始めるか質問されます。Googleフォームから質問をインポートしたり、AIの力を借りてフォーム構築を行うこともできます。通常通りにフォームを作成したい場合には、“Start from scratch” を選択すると良いでしょう。
ここまでの操作で、フォームの編集画面が表示されます。“Add content” をクリックすることで、質問事項を追加することができます。
約30種類の質問タイプが用意されているため、質問したい内容を選んで追加します。GoogleドライブのファイルやCalendlyのカレンダーを質問事項として連携することも可能です。
質問を追加したあとは “Logic” より条件分岐などを設定することができます。一つのパターンだけではなく、回答に応じて異なるエンディングを用意するなど複雑な条件設定を追加することができるのがTypeformの大きな特長の一つです。
フォームの作成後は、“Share” の項目よりフォームを共有するためのリンクや、サイトへの埋め込みコードを取得することが可能です。
フォームから入力された回答は、“Results” の項目より確認することができます。回答のサマリーやPRO版ではインサイトなども用意されています。
“Connect” の項目より、外部ツールとの連携を実施することが可能です。集めた回答データをGoogleスプレッドシートに一覧化したり、Hubspotにリード情報として登録するなど活用の幅が大きく広がります。
Typeformの料金
Typeformは、さまざまなニーズに対応する複数の料金プランを提供しています。以下では、各プランの特長と重要な機能をピックアップし、具体的な利用用途について説明します。
無料プラン
Typeformの無料プランは、無料プランは小規模なプロジェクトや個人的な使用に適しており、基本的な機能を試すのに十分な内容です。このプランでは以下の機能が含まれます：
* 無制限のフォーム作成
* 各フォームに対して10の質問まで追加可能
* 月間10件の回答まで収集可能
* ロジックジャンプ / 複数のエンディング
* テンプレート利用 など
ただし月間10件までしか回答を集めることができないため、毎月の問い合わせを今後増やしていきたいと考えている場合は、有料プランへのアップグレードが必要になる前提で利用を始めるのが無難といえそうです。
Basicプラン（$25/月、年払いの場合）
Basicプランは、無料プランの制約を超えて、より多くの回答を収集したいユーザーに適しています。このプランには以下の機能が含まれます：
* 月間100件の回答まで収集可能
* 無制限のフォームと質問追加
* 支払い受け付け
* ファイルアップロード機能（10MBまで）
* ブランドロゴの追加
* 標準サポート など
Basicプランは、小規模ビジネスや個人事業主が顧客からのフィードバックやデータを収集するのに適しています。例えば、小さなオンラインショップが顧客の購入後のフィードバックを収集したり、フリーランサーがクライアントからプロジェクトの要件を収集したりするのに役立ちます。
Plusプラン（$50/月、年払いの場合）
Plusプランは、ブランドイメージを強化し、より多くのデータを収集したいユーザー向けです。このプランには以下の機能が含まれます：
* 月間1,000件の回答まで収集可能
* Basicプランのすべての機能
* Typeformのブランディングを削除
* カスタムサブドメインの利用
* 3ユーザーまでのチーム利用
Plusプランは、中規模ビジネスやマーケティングチームにとって理想的で、カスタマイズ可能なブランド体験を提供しつつ、多くのデータを収集できます。例えば、マーケティングキャンペーンの一環として、ブランドロゴを表示しないカスタマイズされたフォームを使用して、リードジェネレーションや顧客アンケートを実施するのに最適です。
Businessプラン（$83/月、年払いの場合）
Businessプランは、大量のデータを収集し、詳細な分析を行いたい企業向けです。このプランには以下の機能が含まれます：
* 月間10,000件の回答まで収集可能
* Plusプランのすべての機能
* 離脱率とコンバージョントラッキング
* 優先サポートとライブチャット
* 5ユーザーまでのチーム利用
Businessプランは、大規模なマーケティングキャンペーンやデータ分析が必要な企業に最適です。例えば、大規模な顧客調査を行い、詳細な分析を通じて顧客の行動を理解し、マーケティング戦略を最適化するために利用できます。
Enterpriseプラン
Enterpriseプランは、カスタマイズされた高度な機能とサポートを必要とする大企業向けです。このプランには以下の機能が含まれます：
* カスタムレスポンス制限と座席数
* VIPサポートと専任の成果マネージャー
* カスタムドメインとブランディング
* シングルサインオン（SSO）とHIPAAおよびGDPRコンプライアンス
Enterpriseプランは、大企業がより複雑なデータ収集と分析ニーズに対応するための最適なソリューションを提供します。例えば、グローバル企業が多国籍の顧客からデータを収集し、高度な分析を行うことで、グローバル戦略を立てるのに役立ちます。
利用プランは一度選択したあとにも毎月変更することができるため、事業規模の変化に応じていつでも拡張・縮小することができます。
Typeformのデメリット
Typeformは多くの優れたメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下に、主な紹介するデメリットをもとに、自社での導入に適しているかの見極めにご活用くださいませ。
日本語対応の不足
Typeformは、日本語に完全対応していないため、日本語を主に使用するユーザーには不便を感じる場合があります。特に、フォームの作成やカスタマイズにおいて日本語のサポートが不足しており、文字化けや表示の問題が発生することがあります。
サポートの問題
Typeformのカスタマーサポートは、利用するプランによって対応が異なります。高価格プランのユーザーは優先的にサポートを受けられる一方で、無料プランのユーザーはサポート対応が遅れることが多いです。また、Typeformは海外企業であり、日本語でのサポートが提供されていないため、日本人ユーザーが期待するような細やかなサポートを受けることが難しいです。
コスト面
Typeformは、多機能で高品質なサービスを提供する一方で、そのコストが高くなることがあります。4つ以上のフォームを作成するためには有料プランを契約する必要がありますが、有料プランは月額25ドルから始まり、円安の影響も考慮すると安価で使えるフォームツール市場では高額といえます。またインテグレーションには追加料金が必要な機能もあり、総コストが高くなる可能性があります。
次世代のフォーム作成ツール：Typeformの代替5選
Typeformは、直感的で使いやすいインターフェースと豊富な機能を備えた人気の高いフォーム作成ツールですが、他にも優れた代替ツールがいくつかあります。
EmbedForms エンベッドフォーム
EmbedFormsは、完全日本語対応で提供するインタラクティブなフォーム作成ツールです。Typeformと同様に、インタラクティブなフォームを作成できますが、特に日本ユーザー向けに最適化されており、日本語でのサポートやフォームの埋め込み表示が充実しています。有料プランは月額990円から利用可能で、非常にコストパフォーマンスの高いツールです。
強みと特徴・Typeformとの違い:
- 完全な日本語対応: 日本語インターフェースとサポートを提供
- 低価格で利用可能: 有料プランは月額990円から利用できます
- ポップアップやバナーでの埋め込み: サイト埋め込みの表現が多彩
- JavaScriptコード対応: 共通要素に埋め込み全ページで表示可能
EmbedFormsはインタラクティブ性に優れたフォームの中で、日本ユーザー向けに最適化された唯一のツールです。無料プランから始めることができ、有料プランも月額990円からとリーズナブルに利用することができるため、事業の成長に応じて中長期的にも使いやすいツールです。
Tally.so
Tally.soは、シンプルで直感的なフォーム作成ツールです。Typeformと同様に、ユーザーは簡単にフォームを作成できます。Tally.soは、無料で無制限のフォーム作成が可能であり、手頃な価格で多くの機能を提供しています。英語の管理画面で手軽に利用したい方におすすめです。
強みと特徴・Typeformとの違い:
- 無制限のフォーム作成: 無料プランでも無制限のフォームを作成可能
- 直感的なインターフェース: 簡単にフォームを作成・カスタマイズ
- 手頃な価格: 高度な機能を低コストで利用可能
Tally.soの詳細はこちら：https://tally.so
involve.me
involve.meは、エンゲージメントを重視したフォーム作成ツールです。Typeformと同様に、インタラクティブなフォームを作成できますが、さらに高度なパーソナライゼーションとゲーミフィケーション要素を取り入れています。
強みと特徴・Typeformとの違い:
- パーソナライゼーション: フォームの内容を動的に変化
- ゲーム要素: エンゲージメントを向上を促進
- 行動トラッキング: 効果をリアルタイムで分析可能
involve.meの詳細はこちら：https://www.involve.me
Fillout
Filloutは、カスタマイズ可能なフォーム作成ツールで、Typeformと同様にインタラクティブなフォームを作成できます。Filloutは、シンプルで使いやすいインターフェースを提供し、ユーザーが直感的にフォームを作成できる点が魅力であり、インテグレーションの豊富さや高度な機能も充実しています。
強みと特徴・Typeformとの違い:
- 高度なカスタマイズ: デザインや機能を細かくカスタマイズ
- 数多くのインテグレーション: 30種類以上のマーケティングツールと統合
- ログイン専用フォーム: フォームを認証付きの限定公開
Filloutの詳細はこちら：https://www.fillout.com
JotForm
JotFormは、非常に多機能で柔軟なフォーム作成ツールです。Typeformと同様に、インタラクティブなフォームを作成できるだけでなく、幅広いテンプレートと高度な機能を提供しています。JotFormは、個人ユーザーから大規模な企業まで幅広いユーザーに対応できる点が特徴です。
強みと特徴・Typeformとの違い:
- 豊富なテンプレート: 10,000以上のテンプレートから選択
- 高度な機能: 支払い受付、電子署名など多機能を提供
- アプリ対応: スマートフォン向けのアプリからフォーム作成
JotFormの詳細はこちら：https://www.jotform.com
これらのツールは、それぞれ独自の強みを持ち、Typeformの代替として優れた選択肢となります。しかし、日本語で使える唯一のツールはEmbedFormsであり、日本市場に特化したサポートと機能を提供しているため、特に日本のユーザーには最適な選択肢と言えます。
まとめ：日本語対応のインタラクティブフォームならEmbedForms
インタラクティブフォームは、ユーザーエンゲージメントとデータ収集の効率を向上させるために不可欠です。Typeformは直感的なインターフェースと豊富な機能を持ち、英語の管理画面操作に抵抗の無い方には非常に有用なツールです。もし日本語での操作や管理画面を希望する方、あるいは事業規模の拡大後もリーズナブルにフォームを使いたい方はぜひEmbedFormsをご検討くださいませ。
