InstagramやTwitterなどに代表されるSNS/ソーシャルメディアは、人々のコミュニケーションやつながりを強化するための強力なツールで、多く人々や企業などが利用しています。そこで今回はSNSの基礎解説として、SNSとは何か、利用するメリットやデメリット、主なソーシャルメディアとその特徴などを解説します。これからSNSを日常生活や仕事で使いたいと考えている皆様のお役に立ててれば幸いです。
目次
SNSとは何か
SNSとは、Social Networking Serviceの略で、ユーザーが他者とつながり、コミュニケーションを図ることができるオンラインプラットフォームのことを指します。Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアや、LinkedInなどのプロフェッショナルネットワーキングプラットフォームがこれにあたります。SNSは現代のコミュニケーションに欠かせないものとなっており、世界中の人々とつながり、情報やアイデアを共有し、個人的・職業的なネットワークを構築することができるなど、多くの利点があります。
「SNS」と「ソーシャルメディア」の違い
「SNS」と「ソーシャルメディア」の違いは、それぞれの言葉がカバーする範囲の違いにあります。総務省が発行している各種情報によると、
SNSとは「登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービス」(*1)のことであり、ソーシャルメディアとは「インターネットを利用して誰も手軽に情報を発信し、相互のやり取りができる双方向のメディア」(*2)のことと定義されています。
つまり、ソーシャルメディアのほうがSNSよりも広い概念を示す言葉で、SNSはソーシャルメディアの中の一種類、と言うことが出来ます。
ソーシャルメディアの範囲は広く、動画共有サイトのYouTube、LINEなどのメッセージアプリや、口コミサイト、ライブ配信サービス、ゲーム配信プラットフォームなどもそ一部ととらえることができます。
ただし、ソーシャルメディアの世界では、既存のサービス(アプリ)はどんどん新しい機能が追加され進化しますし、新しいサービスも次々登場しています。そのため、インスタやツイッター、LINE、Youtubeなどの総称をSNSやソーシャルメディアと呼んでいるのだ、と理解するくらいで十分ではないかと思います。本文ではどちらも同じ意味で使うこととします。
(*1)総務省 国民のための情報セキュリティサイト、(*2)同 平成27年版情報白書
ソーシャルメディアを使うメリット
ソーシャルメディアは私たちの日々の生活やビジネスシーンで、以下のような多くのメリットをもたらしています。
- コミュニケーションの向上
- 情報の迅速な伝播
- ブランディングとマーケティング
- 問題提起と社会運動
- エンターテイメントと創作活動
コミュニケーションの向上
ソーシャルメディアは、家族や友人、同僚といった身近な人々と簡単に連絡を取り合える手段として利用されています。また、世界中の人々と繋がり、異文化交流や新しい友人を作る機会も増えています。
情報の迅速な伝播
ソーシャルメディアを通じて、ニュースや出来事がリアルタイムで共有されるため、情報が速く広まります。また、専門家や著名人が自ら情報発信を行うことで、メディアや人手を介さない一次情報を得やすくなっています。
ブランディングとマーケティング手段の拡大
企業や個人はソーシャルメディアを活用して自らのブランドや製品をアピールすることができます。これにより、効果的なマーケティング戦略を展開し、ターゲット層にリーチすることが可能です。
ソーシャルメディア登場以前は、マーケティングやブランディングを行うには多額の予算をかける必要がありましたし、専門的な経験や知識を必要とされることがあり、個人事業主や小規模事業者には負担の重いものでした。しかしインスタグラムやツイッターを使えば、予算をかけなくても広告に代わる効果を得ることも可能となっています。
問題提起と社会運動の支援
ソーシャルメディアでは、さまざまな社会問題や政治問題が議論され、意見が交換される場となっています。また、社会運動の拡散や支援を呼びかける手段として利用されることもあります。例えば、#MeToo運動や#BlackLivesMatter運動などが世界的に拡散し、社会的な変革を促すきっかけとなりました。
エンターテイメントと創作活動の新たな場を提供
ソーシャルメディアは、音楽や映像、文章などの創作物を共有する場としても利用されています。これにより、アーティストやクリエイターが自らの作品を広めることができ、新たな才能が発掘される機会も増えています。
ソーシャルメディアが抱える問題点
ソーシャルメディアは上記の通り私たちにとって多くのメリットがある一方で、その普及に伴い深刻な問題が浮かび上がっています。近年よく語られている問題を以下に挙げます。
プライバシーの侵害
ソーシャルメディアは個人情報を公開することが一般的であり、それによってプライバシーが侵害されることがあります。例えば、2021年に起きたFacebook(現Meta Platforms)のデータ漏洩事件では、5億人以上のユーザー情報が流出しました。これにより、個人情報が第三者に悪用されるリスクが高まりました。
フェイクニュースの拡散
ソーシャルメディア上では、誤った情報やデマが瞬く間に広まることがあります。例えば、新型コロナウイルスに関する偽情報が拡散され、パニックを煽ってしまったり、誤った対策を取る原因となることがありました。これらの現象をWorld Health Organization (WHO)は「インフォデミック」という言葉で表現しました。
オンラインハラスメントの増加
ソーシャルメディア上での誹謗中傷やネットいじめが増加しており、その被害者は深刻な精神的ダメージを受けることが多くあります。学校や職場などでソーシャルメディアを使って脅迫を受けたり精神的に傷つけられたり、またメディアに登場するような著名人が見ず知らずの大勢から激しい誹謗中傷を受けるケースなどが相次いでいます。
ソーシャルメディアは民間企業が運営するサービスではありますが、社会への影響力の強さから考えると、もはや社会的なインフラであると言えます。そのためこれらの問題に対処するためには、ソーシャルメディア運営企業だけでなく利用者自身が責任を持つことや、政府なども巻き込んだ対策が必要になっています。
主なソーシャルメディアとその特徴
ソーシャルメディアにはさまざまな種類があり、それぞれに独自の特徴や利点があります。日本で人気のSNSやそのユーザー数についてはいくつか公開情報が出ていますが、総務省情報通信政策研究所のデータ(令和4年8月)によれば、日本で利用者が多いソーシャルメディアは以下の通りです。
- LINE
- Youtube
- TikTok
既にこれらのアプリを利用されている方も多いと思いますが、ここでは改めてそれぞれの特徴を簡単に紹介します。ソーシャルメディアのプラットフォームの種類を理解することで、自分のニーズや興味に合ったものを選び、他の人とつながり、自分のアイデアや経験を共有するために活用することができます。
LINEとは
LINEはネットワーキング系ソーシャルメディアです。利用者がアプリをインストールすれば、テキストチャットや音声通話やビデオ通話が無料で使えます。近年は、メッセージングアプリにとどまらず、タイムラインやオープンチャットなどのなどのネットワーキング機能が充実しています。企業アカウントや公式アカウントとのやり取りが可能です。
また、LINEニュースといった情報ポータルサービスや、「LINEヘルスケア」といったヘルスケアサービス、音楽配信の「LINE MUSIC」、決済サービスの「LINE Pay」など、広範なサービスを多角的に展開しています。
Youtubeとは
Youtubeは動画共有系ソーシャルメディアです。Youtubeのアプリをダウンロードすれば、誰でも動画をプラットフォームにアップロードでき、一般に公開することが出来ます(限定公開も可能)。また、他の人がアップロードした動画を自由に視聴することが出来ます。
基本的なサービスは無料で利用できますが、有料版「Youtube プレミアム」を利用すると広告なし視聴、動画のダウンロード、バックグラウンド再生などが可能になります。また、映画の購入やレンタルが出来る「Youtubeムービー」や、ライブ配信機能「Youtube Live」も提供しています。
当初はユーチューバーと呼ばれる、YouTubeのみでコンテンツを投稿するクリエイターや一般の人々による動画が話題の多くを占めましたが、YouTubeのユーザー数が増えるにつれ、テレビや映画などのマスメディアによるのコンテンツ投下や有名人のチャンネル開設が進み、現在の様に旧メディアと並ぶメディアとして大きく成長しました。
Twitterとは
Twitterはネットワーキング系ソーシャルメディアです。短文を投稿するという最初の特徴から、マイクロブログ(Micro Blog、小さいブログ)というカテゴリーに分類されることもあります。日本では、芸能人や政治家、企業など多くの人が利用しています。
ユーザーがTwitterのアプリをダウンロードすると、140文字以内(有料会員は最大2000字)の短文を画像や動画と共に投稿ができ、そのつぶやきが公開されます。それを見た他の閲覧者は返信や「いいね」ボタンをタップしたり返信したりすることで双方向のやり取りができます。リツイートといってツイートを他の人に知らせるべく拡散することも出来ます。
Instagramとは
Instagramは写真共有系ソーシャルメディアです。ユーザーはインスタグラムのアプリをダウンロードすると、写真や動画をキャプション(コメント)付きの投稿を公開できます。正方形の写真が並ぶフィードと呼ばれる基本の投稿機能のほかに、24時間で投稿が消えるストーリーズ、短尺動画を投稿できるリール、その他ライブ配信機能などが利用できます。インフルエンサーが多く活躍しており、ブランディングやプロモーションにも使われています。
インスタグラムは2010年にサービスを開始し若者を中心に人気を博し、その後2012年にFacebook(現Meta)に買収され現在に至ります。日本でも「インスタ映え」「インフルエンサー」といった言葉と共に浸透し、新しいSNS文化を象徴するアプリに成長しました。ただし近年はTikTokなどとの競争が激化していて、これまでのように安泰というわけにはいかなそうです。
Facebookとは
フェイスブックはネットワーキング系ソーシャルメディアで、ソーシャルメディア黎明期の2004年に登場し大成功した、SNSの代名詞的なサービスです。現在も世界中で広く使われており、市場・消費者データコンサルティング会社のStatistica社のデータによれば、ソーシャルメディアの中でトップのユーザー数(約29億人)を抱えています。
フェイスブックのアプリをダウンロードしたユーザーは、テキストや写真を公開(限定公開も可)することができ、それらを通じて友達や家族、同じ関心を持つ人々のグループと対話やコミュニケーションが出来ます。日本では、友達や家族とのコミュニケーションツールとして使われることが多いです。
利用に際して実名登録が基本であることがフェイスブックの特徴の一つです。また他の後発SNSと比べて年齢層が高いと言われています。米国データですが、Statistica社2021年7月発表データでは、45歳以上のユーザーが約35%を閉めています。
TikTokとは
TikTokは動画共有系SNSです。ユーザーはアプリをダウンロードして他のユーザーが投稿したおすすめの動画を見たり、自分で動画を投稿できます。動画は縦型で、15秒から最大60秒のショートムービーを作ることができます。踊りやリップシンクなどのエンターテインメント要素が強く、クリエイターが多く活躍しています。2017年にグローバル市場向けのサービスを開始してから瞬く間に10代の若者の人気アプリとなりました。
TikTok登場まで動画は、横長の画面で撮影したり見ることが一般的でしたが、TikTokは縦型動画で勝負して成功しました。その後競合各社が縦型のショートムービー機能を次々リリースしたことからも、そのアイディアがいかに影響の大きいものだったかが分かります。
ソーシャル・メディアの未来
ソーシャルメディアの未来に関する展望は、様々な要素が絡み合っています。ビジネストレンド、プラットフォーマーの思惑、社会的要請、技術的進歩などが関連してきます。現在のトレンドをベースに、少し先の未来を見てみましょう。
動画コンテンツが中心に
現在ソーシャルメディアはTikTokやInstagram Reelsなどの動画プラットフォームが人気の中心になっていますが、その没入感の高さは静止画の比ではなく、多くの人が毎日動画を見ることに時間を費やしています。普及具合を見ると人々がすぐに飽きるとは考えにくく、この傾向はしばらく続いていくと考えてよいでしょう。
マネタイズ機能がさらに充実
マネタイズに関しては、ソーシャルメディアへ投稿を行うクリエイターがアプリ上で収益を得られるような仕組みがYouTubeなどで導入が続いています。例えば、ライブ配信などを行っているクリエイターに対してライブ閲覧者が直接「投げ銭」ができる機能などがあります。
ソーシャルメディアの収益源は広告ですが、新たな収益源として育ちつつあるマネタイズ関連機能を手放すことは考えづらいため、こちらも続いていくと思われます。
さらにInstagramなどはショッパブルポスト(買い物可能な投稿)機能やアプリ内での支払い機能などのショッピング機能を強化してきており、Eコマースとソーシャルメディアが統合されていくような動きがより進んでいくかもしれません。
AR/VRやAI技術の導入
テクノロジー面では、InstagramのAR広告のように拡張現実(AR)や仮想現実(VR)のような機能が充実し、ソーシャルメディアはさらに没入感が強く、双方向コミュニケーション機能が強化されれていくでしょう。昨今話題のAI技術は、コンテンツのスクリーニングやモデレーション、さらには投稿の生成などの分野でも導入が進むはずです。
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法規制の整備
一方で政策的な点では、ユーザーのプライバシーの保護やフェイクニュースの検知と拡散抑制、オンラインハラスメント抑制、若年ユーザーの保護などの対策が進むでしょう。例えば、みずほリサーチ&テクノロジーズが作成した資料によれば、ヨーロッパを中心に規制当局によるフェイクニュース対策の動きが活発で、大手の事業者もこれらの動きを受けて様々な対策を続けています。
まとめ
今回の記事では、ソーシャルメディアとは何か、利用する上でのメリットや問題、主なソーシャルメディアの種類、そして今後のソーシャルメディアの展望についてまとめました。
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