多くの企業がSNSを活用している今、様々なSNSキャンペーンを実施しています。そこで今回は、海外の有名企業が実施したSNSキャンペーン の優れた12の事例をまとめました。SNS等ソーシャルメディアをうまく活用している企業の施策から、みなさんの次のキャンペーン を 行う際のヒントを見つけてみましょう。
SNSキャンペーンの成功事例の前に、皆さんが今後実施するキャンペーンの企画をしやすいよう、SNSを活用したキャンペーンの種類をご紹介しましょう。
企業やブランド、商品の知名度や親近感を向上させるためのキャンペーンです。顧客やフォロワーにブランドに関するコンテンツを共有してもらうハッシュタグキャンペーンがこれにあたります。
顧客やフォロワーに、SNSでの投稿に対して「いいね!」「コメント」「シェア」などのリアクションをしてもらい、それらをを通じて企業やブランドとつながりを強めるためのキャンペーンです。
顧客や潜在顧客に、購入などの特定の行動を促す形のキャンペーンです。
賞品やインセンティブを顧客に提供することで、高揚感やエンゲージメントを生み出す形のキャンペーンです。忠実なフォロワーを対象に、リテンションを高め、エンゲージメントに報いることを目的としています。
顧客や潜在顧客にブランドや製品の支持者/サポーターになってもらい、友人やフォロワーに宣伝してもらうタイプのキャンペーンです。通常、これらのキャンペーンは、製品を使用し、ブランドアンバサダーやプロモーターとなるインフルエンサーとブランドのコラボレーションから始まります。
フォロワーやキャンペーン参加者に、ブランドや商品と共に映った写真や動画など特定のコンテンツの共有を促すタイプのキャンペーンです。UGCとはユーザー生成コンテンツのことです。
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた当時、Airbnbの将来は暗澹たるものに見えました。多くの旅行が中断された結果、予約のキャンセルで10億ドルの損失を出したからです。その結果同社はIPOの準備を延期し、2,000人以上の人員削減を余儀なくされました。
しかしその後、予約の90%減という状況から7月の消費者支出が前年比22%増となるなど業績を回復することができました。それを支えたのが、#GoNearハッシュタグを使ったキャンペーンでした。
このSNSキャンペーンを実施した目的は、近距離旅行分野の市場拡大を促進することでした。同社が保有する予約データや顧客調査から、自宅から300マイル以内(車で1日以内)の小旅行へのニーズが高まっていることを突き止めたことが、成功の要因でした。
pick one: wfh edition.
which spot would you want to work from? pic.twitter.com/8NT2618NPZ
— Airbnb (@Airbnb) August 31, 2020
このキャンペーンは、すべてのSNSを活用したUGCキャンペーンの成功事例の中で、おそらく最も優れたキャンペーンの1つでしょう。
Appleの「Shot on iPhone」キャンペーンは、iPhoneユーザーの投稿を世界中のビルボードに掲載し、同社のソーシャルメディアチャンネルで共有するという、分かりやすいユーザー生成コンテンツ(UGC)チャレンジとしてスタートしました。
SNSキャンペーンを開始しユーザーが素晴らしい画像や動画の投稿を作成し始めると、集まった素材はiPhoneのカメラの信頼性を大きく高めることになりました。このキャンペーンは現在も継続しており、Instagramだけで2,000万件の投稿を記録しています。
Appleは、iPhone 6のカメラに注目を集めたいと考えていましたが、同時に、若くて独創的な企業としてのイメージを浸透させたいとも考えていました。同社は、新しいユーザーにAppleのユーザーコミュニティーに参加する高揚感を体験してもらい、同時に既存のユーザーにも製品の発表に参加し、楽しんでもらいたいと考えています。
2020年にビデオ会議の業界標準となったZoom。多くの人々がそれぞれの在宅勤務環境のもとビデオ会議に参加しましたが、会議に適した背景がすぐに整ったわけではありませんでした。子供が走り回ったり、ベッドメーキングを忘れた寝室の様子などが背景に移り込んでしまったため、多くのユーザーにとってバーチャルな背景が重要になりました。Zoomはこれを利用し、The Virtual Backgroung Contest(バーチャル背景コンテスト)というSNSのキャンペーンを実施しました。
このコンテストは、ユーザーが自分たちでデザインした面白い背景を共有するために開催されました。Zoomは、コンテスト応募用のランディングページを作成するとともに、Twitterのアカウントも別に用意し、優秀作品を紹介しました。また、ユーモアのあるマーケティングでバーチャル背景の機能を顧客に伝え、このプログラムへの関心を高めました。
BuzzFeedの「Tasty」は、食欲をそそるショートムービーを中心に、時間をかけずに簡単に調理する方法を紹介しています。「Tasty」SNSキャンペーンがリリースされると、おいしそうな料理の動画の数々がFacebookユーザーの間で話題沸騰となりました。この主にFacebook向けに作成されたTastyの動画は、驚くべき結果をもたらしました。キャンペーンの動画は数百万回の再生、1億以上のFacebookの「いいね!」を獲得し、2000以上の料理動画のレシピが提供され、そして月間5億人のリーチを見込むなど、大きな反響を呼びました。
Tastyの動画クリップは、Facebookの自動再生機能と連動するように調整され、音声なしで動画の再生が開始されるように設定されました。BuzzFeedは、Facebookのアルゴリズムが他の種類の素材よりも動画コンテンツに適していることに気づき、おいしいものをすぐに食べたい視聴者のために、短く、そして文字通り’甘い’映像を制作し、成功したのです。
スターバックスは、注目すべきSNSキャンペーンを実施しています。#UnicornFrappuccino は、その中でも特に人気のあるSNSキャンペーン成功事例の一つです。2017年4月、ユニコーンフラペチーノは3週間しか販売されなかったにもかかわらず、その効果はずっと長く続きました。甘くてカラフルなこのドリンクは、SNSで広く拡散されました。
スターバックスは、熱心な消費者が投稿してくれることを想定して、SNSを意識した限定商品を企画しました。Instagramの「#unicornfrappucino」ハッシュタグを付けた投稿は、すでに154,000枚以上になっています。そのほとんどがこのスターバックスの限定商品の写真であり、これは限定商品の効果がいかに長く続くかを物語っています。
Spotify Wrapped(Spotifyまとめ)キャンペーンは、同社のバイラルマーケティング(*)にとって大きな成功を収めた事例となりました。それは、年末にユーザーに、ユーザーが過去1年間に聴いたすべての曲、好きなアーティスト、最も時間をかけて聴いたジャンル、リスナーが聴いたことのあるアーティストのトップ5などが表示された壁紙を配布するという企画でした。
(*)バイラルマーケティング・・・SNS上などで口コミによって不特定多数の人々の間に話題が広まるように促すマーケティング手法のこと
この企画は単なるマーケティングキャンペーンではなく、SNSを使ったバイラルマーケティングの観点からも重要な事例と言えるでしょう。
年末になると、各ユーザーにSpotifyから届くこのメールは、多くのユーザーの間で長年愛され、世界中の音楽好きの人々やオーディオマニアにとって、ある種の年中行事化しています。
この種の広告は、とてもよくパーソナライズされていることが人気の理由です。テクノロジーの発達により、各個人の状況に応じた情報提供が可能となり、それは明らかな効果を発揮します。Spotifyの今日のブランドは、パーソナライゼーションによって作られたとも言えるでしょう。
Source: Spotify
ユニリーバが所有するブランドであるダヴは、昨年のインパクトのある「Reverse selfie(リバースセルフィー)」キャンペーンに続き、多くの子供たちがソーシャルメディアを通じて触れている有害な美容に関するアドバイスについて警鐘を鳴らす、印象的な新しい動画を制作しました。
キャンペーンでは複数の母娘が、Instagramなどのアプリケーションで見られる一般的な化粧品のアドバイスについて会話している様子が記録された「Toxic Influence」という動画が公開されました。さらに、#DetoxYourFeedキャンペーンを開始し、ソーシャルメディアで情報が拡散されるよう促しました。
これは、企業の社会的責任を示す素晴らしい事例です。同ブランドが行った調査によると、10人中7人の女性が、SNS上の理想化された美に関する情報や投稿のフォローをやめた結果、精神的に楽になったと報告したそうです。この「#DetoxYourFeed」イニシアティブは、若者が自分に自信を持てなくなりそうなコンテンツはすべてフォローをやめること、美の基準は自分で決めること、自分にとって良い影響を与えてくれる情報を見極める能力を持つことを勧めています。
パンデミックは、人々のクリエイティブなマインドを爆発させるきっかけになったようで、2020年はよいマーケティング事例が多く存在します。Netflixの例もその一つです。未曾有の試練に直面したとき、Netflixは人々を支援し、視聴者とのより深いつながりを確立するために、ソーシャルメディアに目を向けました。
同社はこのキャンペーンで、メンタルヘルスの専門家とチャットし、質問をしたり、問題を話し合ったりすることができるInstagram Liveシリーズを開始しましたが、このようなアプローチで顧客とつながりを構築できた企業は、一時的な危機が去った後も顧客とつながりを維持でき、長期的に利益を得ることができます。
この事例はブランドの認知度と消費者のロイヤリティを高めるための優れた施策と言え、有益なキャンペーンでした。多くの人々が困難に直面しているときは、人々が参加できる対話の機会を設け、消費者とのつながりを強化し、長期的なコミットメントを促しましょう。
Daniel Wellingtonは、ユーザー生成コンテンツ(UGC)をソーシャルメディア上で活用する術をマスターしている企業の一つです。彼らは、Daniel Wellingtonの時計を身につけたクライアントの画像をよくリポストしていますが、それだけでなく、人々から注目を得るための仕掛けを仕組んでいます。
彼らは、素晴らしい場所で撮影された写真をアップロードし、それがどこで撮影されたかを視聴者に推測してもらうことで、SNSのコンテンツ戦略にひねりを加えているのです。
他の企業の例と同じように、ただ顧客が撮影した写真を再投稿しているのですが、彼らはそれをたわいもない推理ゲームに変えることで、投稿にゲーミフィケーションの要素を追加しました。
結果としてより多くの人がこの写真にコメントしたり回答したことで、通常よりも投稿へのインタラクションが増えました。
Gilletteは2019年1月、男性であることの意味を再定義しようとするSNSキャンペーンを実施しました。
YouTube上で公開された短編の動画(現在は未公開)では、Gillette自身がこれまで賞賛してきた従来の男らしさに対して、自分の感情を表現できない姿、性犯罪、他人へのいじめ行為など、現実の世界で男性が苦悩する姿が映し出されています。そしてそのような現実を踏まえた上で、他人のために声を上げる、家族を大切にするといった、現代の価値観に寄り添った男らしさの定義を、動画の中で訴えています。
このキャンペーンは、現在進行形で熱い議論が交わされているテーマを取り上げることに成功しました。
そしてGilletteは、同社が以前に行っていたブランディングと新しいブランディングを対比させ、同社が現在の価値観に適応する用意があることを示しました。
一方でこのキャンペーンには賛否両論があり、動画の中での男性の表現方法が侮辱的だと感じる人々もいました。その結果、Gilletteはさらに注目を集め、メディアで取り上げられるようになりました。
2017年、Worldwide Breast Cancerという団体が、とてもクリエイティブでバイラルな(口コミで広がりやすい)SNSキャンペーンを実施しました。女性の乳がんのさまざまな症状に対する認識を高め、しこりだけが病気発見の指標ではないことを広めるためのキャンペーン「#KnowYourLemons」です。
このキャンペーンでは、広告の規制を回避するために女性の胸そのものを見せることはせずに、レモンを使って12の様々な症例を表現し、女性が胸の検査することへの恐怖を克服できるよう支援しようとしました。
このキャンペーンは社会的に重要な問題を取り上げましたが、ユーモアと深刻さの絶妙なバランスを実現することに成功しました。センシティブなテーマであっても伝え方の工夫によって適切なオーディエンスを惹きつけることができるという良い事例でしょう。
オレオは、同製品のファンの直近のツイートを分析した結果、人々の性格に関する情報を含みカスタマイズされた「オレオスコープ」というコンテンツを提供するSNSキャンペーンを実施しました。星座や占いへの人々の関心に注目し、星占いとブランドの製品を結び付けてみたのです(オレオ+ホロスコープ)。
この事例もパーソナライゼーションの好例と言えます。人々に特別感を与え、決して時代遅れになることはありません。同社は、大変多くのオレオスコープを発信していますが、自分に向けて発信されたコンテンツを手に入れることは、消費者にとっては特別なことであり、その結果を他の人と共有したくなるものです。
SNSの利用者増加に伴い、マーケティングキャンペーンでのSNS利用も増えています。SNSキャンペーンツールは、複数のソーシャルメディア(SNS)アカウントからコンテンツを一箇所に集めてウェブサイトに表示することができるツールですが、このようなツールの利用は、キャンペーンの認知度を高め、潜在顧客やファンがよりアクセスしやすくするための素晴らしい助けとなるはずです。
数あるSNSキャンペーンツールの中でも、EmbedSocialは最も信頼のおけるツールの1つで、みなさんのSNSキャンペーンをサポートするために設計されています。例えば以下のようなことが可能です。
EmbedSocialのようなツールを使用すると、さまざまなSNSキャンペーンをモニタリングすることや、ソーシャルリスニングを行うことが出来ます。人々によって投稿されているコンテンツ、参加しているユーザーなど、キャンペーンのインサイトを得ることができます。そして、このデータを使って、みなさんのSNSマーケティング戦略を改善することも可能です。
ハッシュタグキャンペーンは、SNS上でみなさんのブランドについて話してもらうための最適な方法ですが、さまざまなプラットフォームでの会話をすべて追跡するのは大変です。
EmbedSocialハッシュタグキャンペーン機能を使えば、皆さんの商品やキャンペーンについてメンションされたツイートや、指定したハッシュタグ付きのツイッターやインスタグラムの投稿を簡単に集めることができます。さらに、キャンペーンに関する投稿の一部をピックアップしたり並べ替えたりして、LP用のUGCウィジェットを作成して表示することもできます。このようなUGCは、潜在顧客からの信頼を獲得するためのソーシャルプルーフとしても機能します。
EmbedSocialフィード機能では、InstagramやTikTok、YoutubeといったSNSの写真や動画をウェブサイトに埋め込むことができるため、人々はキャンペーンの最新情報を一か所で一度に見ることができます。これは、キャンペーンのリーチを広げ、より多くの人に参加してもらうための素晴らしい方法です。
SNSマーケティングを成功の成功事例からわかる要件はたくさんありますが、ここでは一般的なものをいくつか紹介します。
多くのキャンペーンではハッシュタグやその他のキャッチなどを使って、投稿数を計測したりフィードバックの分析が容易にできるように設計されています。
成功しているキャンペーンはユニークでクリエイティブ、ソーシャルメディアに新鮮な視点をもたらしていると言えます。
キャンペーンでもブランドの世界観を維持し、人々がすぐにそのブランドであることを認識できるように配慮されています。
ソーシャルメディアの専門家である各企業の担当者は各プラットフォームに最適な企画を理解した上でキャンペーンを展開しています。
目的とターゲットによります。若い世代ならTikTokがよいでしょう。またビジュアル重視のキャンペーンならInstagramが適しています。拡散性なら断然X(Twitter)でしょう。なお日本国内でのSNSキャンペーンでは、以下のプラットフォームが使われることが多いです。
Instagram
X(旧Twitter)
TikTok
Facebook
YouTube
Smart Insights社の調査によれば、平均的な人は2時間29分をSNSに費やしているとのことです。
そして、世界人口の半分以上、46.2億人がSNSを利用しています。このことから、ほとんどの企業にとってSNSが主要なチャネルになっているのも不思議ではありません。
しかし、SNS上に存在するだけでは、人々が皆さんのアカウントを訪れ、フォローしてくれることを期待することはできません。SNSが反応するような、スマートなキャンペーンを企画する必要があります。
そしてSNSの投稿は、ユーザーを刺激し、動機づけし、関心を持たせるものでなければなりません。そうすることで、SNSでの露出とリーチを拡大することができ、同時にブランドのメッセージも伝えることができるようになります。
今回紹介したSNSキャンペーンの成功事例は、SNSがブランドの認知度を上げ、ターゲットユーザーを惹きつけ、最終的に売上を伸ばすのにいかに効果的であるかを示しています。今回の事例で示されたSNSキャンペーンの成功の秘訣が、皆さんの今後のマーケティング計画の参考になれば幸いです。