• 投稿日 2025/09/12
  • 最終更新日 2025/09/12

原ウール株式会社|UGC活用で編み物ファンとともにブランドを育てる

1952年に創業し、繊維の一大産地「尾州」を拠点に糸の製造・販売を行ってきた原ウール株式会社。OEMを中心に事業を展開してきましたが、近年は自社ブランド商品の開発・販売にも注力しています。特にEC事業においては、ファンと共にブランドを育てる仕組みとしてUGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用を開始し、大きな成果を上げています。

本記事では、同社のUGC活用の背景や導入の経緯、具体的な運用体制と成果についてご紹介します。

EC事業の立ち上げと成長

同社がECを立ち上げたのは約3〜4年前。ECカート構築サービスの『ショップサーブ』を活用し、当初は売上全体の1割未満でしたが、現在では全社売上の30〜40%を占める規模に成長しました。

通販事業部は牧野様とパート社員1名で構成され、出荷業務は別部隊が担当。外部ベンダーや制作会社の協力も得ながら、少人数で効率的に運用しています。ECの拡大に伴い、コンテンツ作成の負担が増える中で、UGC活用の必要性を強く感じるようになりました。

UGC活用を考えたきっかけ

原ウール様では「ファンと一緒にブランドを育てたい」という想いからUGC活用を検討しました。糸や毛糸は素材そのものを販売するため、完成イメージが伝わりづらいという課題がありました。

お客様の作品を共有してもらうことで、購入を検討している人に使用例を提示できるだけでなく、社員にとってもモチベーション向上につながります。また、ハッシュタグ「#あみチャレ」を活用した商品開発も進め、作品投稿を通じた「コト消費」の仕組みづくり」を目指しています。

導入の決め手

UGC活用の重要性を認識していたものの、他社ツールはランニングコストが高額で導入を見送っていました。そんな中、ショップサーブ担当者からEmbedSocialを紹介され、コストと機能のバランスが自社に合っていると判断。商材との相性の良さもあり、導入に至りました。

EmbedSocialの活用方法

原ウールでは、以下のページにUGCを埋め込み、顧客が安心して購入できる仕組みを整えています。運用は現在牧野様が担当していますが、Instagram更新を行っている営業スタッフへ引き継ぎを進めており、社内体制として定着させつつあります。

ECサイト トップ:https://itohenlab.jp/

掲載するUGC(ユーザー生成コンテンツ)に商品情報を紐づけることで、ユーザーが気に入った商品を見つけた際にそのまま関連ページへ移動できる仕組みを整えています。具体的には「商品タグ機能」を活用することで、UGCから商品詳細ページなど複数のページへ自然に誘導することが可能です。なお、商品情報はCSVファイルを使って一括でアップロードできます。

コーポレートサイト:https://www.harawool.co.jp/

EmbedSocialは一つのアカウント内で、複数のページ・ドメインで活用することができるため、ECサイト・コーポレートサイトの両方で活用も可能です。

UGC活用の効果

UGCや自社SNSの投稿を活用して動きのあるサイトを実現したことにより、導入前後の3か月でWebサイトの滞在率は約15%改善しました。また、UGCの使用許諾は7〜8割のユーザーから承認を得られており、継続的な活用が可能になっています。

UGC取得のプロセスとしては、週に2回まとめて投稿を確認し、掲載希望のものをピックアップして許諾を依頼。1回あたり数件のリクエストを行っています。

さらに編み物という特性上、同じ糸でも人によって完成品の表情が異なり、UGCによって商品の多様な魅力を可視化することができるようになりました。

ユーザーや社内からの反応

顧客からは「自分の作品がサイトに掲載された」という喜びの声が寄せられ、コミュニティ意識の醸成につながっています。社員にとっても、顧客が生み出す多彩な作品を見られることは大きな刺激となっています。

UGCを増やす施策としては、商品発送時にポストカードで投稿を依頼したり、Instagramや自社サイトで周知したりする工夫を実施。現状インセンティブは設けていませんが、今後の検討事項としています。

また、導入時にはEmbedSocialのサポートチームがZoomを通じてInstagram APIの詳細仕様を解説するなど、手厚い支援も助けになったとのことです。

今後の展望

今後は単なる投稿掲載にとどまらず、ハッシュタグキャンペーンの実施やリール動画コンテンツの活用など、UGCの幅をさらに広げていく予定です。SNS運用は内製化を進め、サイト全体に動きを加えることで、より顧客が楽しめる場を目指しています。

さらに、EmbedSocialに対しては以下のような新機能への期待も寄せられています。

  • UGCの効果測定・分析機能の強化
  • DMを通した許諾申請メッセージの送信
  • Instagramショッピングタグとの連携

まとめ

原ウール株式会社は、長年培ってきた繊維技術にUGCを掛け合わせることで、編み物ファンとともにブランドを育てています。顧客と企業が共創する仕組みを構築し、EC売上の拡大とともに社内外のモチベーション向上を実現しました。

UGC活用は、単なるマーケティング施策にとどまらず、顧客との関係性を深める取り組みであることを、原ウールの事例は示しています。

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