• 投稿日 2023/05/19
  • 最終更新日 2024/12/09

ChatGPT AIを活用して顧客フィードバックを分析する方法

事業の規模大小を問わず、顧客からのフィードバックを収集し分析することは、顧客が求めているものとサービスに対する感想を正確に把握し、今後ビジネスを成長させていくうえで最も重要なアクションの1つです。

しかしながら、実際に多くの現場で行われていることは、決済者の感覚に依存する意思決定や、集まった口コミを一つずつ読み上げていくことが中心です。

しかしChatGPTの登場により、高額な専門ツールに料金を払わずとも中小事業者でもAIを使った顧客フィードバックの分析が簡単に行える時代になりました。この記事では、顧客のフィードバック分析にChatGPT AIを活用する具体的な手順を詳しく解説していきます。

目次

  1. なぜChatGPTを分析に活用するのか?
  2. ChatGPTとその機能の理解
  3. ChatGPTを顧客フィードバックの分析に活用する方法
  4. ChatGPTの活用 – テキストの分類
  5. ChatGPTの活用 – 感情分析
  6. ChatGPTの活用 – 類似性の抽出
  7. ChatGPTの活用 – 自動応答の生成
  8. ChatGPTの活用 – 潜在的な問題の発見
  9. ChatGPTに代表されるAIを使う上での注意事項
  10. AI自動返信機能(powered by ChatGPT)で口コミ返信を自動化

なぜChatGPTを分析に活用するのか?

ビジネスを運営する上で、改善すべき点を把握することは非常に重要です。そのためには、顧客の声を分析することが欠かせませんが、顧客のフィードバックを集めることはなかなか大変な作業であり、手作業で行ってきたと考えると、何時間もかかることが想像できます。しかし幸いなことに、私たちはデジタル時代を生きています。あらゆることが自動化され、顧客のフィードバックの収集も例外ではありません。その中でも特に『ChatGPT』というAIツールをご紹介しましょう。

なぜChatGPTなのでしょうか?その理由は非常にシンプルです。ChatGPTは今最も注目されているAIツールであり、無料または小額の課金のみで高性能なAIを導入し、ほぼすべてのタスクを自動化することができます。それによって、人的リソースと業務コストを大きく削減することができるのです。では、このChatGPTとは具体的に何なのでしょうか?それを見ていきましょう。

ChatGPTとその機能の理解

ChatGPTは、自然言語処理における優れたツールであり、顧客フィードバックの分析からカスタマーサービスの自動化まで、さまざまな業務に役立つことができます。メインの機能は、チャットの相手として人間のように振る舞うことですが、ChatGPTは非常に汎用性のあるツールです。

その革新的な技術により、まるで本物の人間と会話しているかのような感覚を得ることができます。ChatGPTはさまざまな質問に回答することができ、カスタマーアンケートを作成したり、エッセイやメールを作成したり、コーディングや対話を行ったりすることができます。また、音楽を作曲したり、劇や映画の脚本を書いたりすることもできます。

しかし、ChatGPTには無視できない重要な制限もあります。非常に説得力がある回答を提供する一方で、誤った情報や有害な情報を提供することもあります。また、その知識データベースは2021年9月までの情報に限定されており、アルゴリズム的なバイアスが存在する可能性も示唆されています。

ChatGPTは便利で多機能ではありますが、その制限も忘れてはなりません。人間の監視が必要なツールであり、あくまでアシスタントとして使用するべきであり、特定の職務を置き換えるものではありません。

ChatGPTを顧客フィードバックの分析に活用する方法

ChatGPTを顧客フィードバック分析のプロセスに活用することで、顧客の考えていることや感情、機能やサービス要望に関する貴重な洞察を得ることができます。顧客フィードバックを自動的にカテゴリ分けまたはタグ付けしたり、感情のトレンドを把握したり、一般的なフィードバックに対して個別の返答を生成したりすることが、わずか数秒で可能となります。

では、まずはじめに、どのようにして顧客フィードバックの分析にChatGPTを活用すれば良いのでしょうか?とても簡単です。ChatGPTにそのまま質問を投げかけてみれば良いのです。

ChatGPTに質問をしてみると以上の回答を得ました。それでは、以下の章で一つずつ内容を検証していきましょう。

ChatGPTの活用 – テキストの分類

実際に弊社のお客様からいただいた、改善のご要望をChatGPTに分析してもらいました。確かに要望だけでなく不満といえる内容も含まれることから、テキストの分類としては正解といえそうです。

別のユースケースを考えてみました。テキストを特定のカテゴリに分類する必要がある場面としては、例えば顧客のフィードバックを店舗サービスの項目で分類することです。以下の例文を4つのカテゴリ「接客レベル」「商品の味」「店内環境」「アクセス環境」のどれに該当するかを判別してもらいましょう。

以下の例文は全て架空のフィードバックです。

例文1)こちらでいただいたカレーがとても美味しく、駅近というロケーション抜群な点も最高。

例文2)カレーの味は申し分ないが、店員さんが少し無愛想ではあるので好き嫌いは分かれるかも。

例文3)抜群のロケーションにあるカレー屋さん。清掃があまり行き届いてないところがネック。

このように少し複雑な文章と間接的なキーワードであっても、見事カテゴリごとにうまく分類してくれました。ちなみに一番最後のプロンプト(入力内容)からも分かるように、一度カテゴリ分けなどの指示を出したのちに例文だけを入力すると、同じ規則に従ってカテゴリ分けをしてくれています。これは100%起こるものではありませんが、ChatGPTが人間のようにその場で判断したうえで返答を行っていることの表れといえます。

ChatGPTの活用 – 感情分析

先ほどのChatGPTからの回答では、カテゴリ分けと同様にテキスト内の感情も分析することができるとのことでしたので早速試してみましょう。先ほどと同じように例文を3つ用意してChatGPTに分析してもらいます。

例文1)このハンバーガーショップでは訪れるたびにクーポンがもらえ、子供用の遊び場まで用意されており、ファミリー層にはとてもありがたいお店。

例文2)駐車場が狭くいつ来ても満車状態。ここに来るときは公共交通機関を使うことをすすめる。

例文3)駅から歩けない距離ではなく、ハンバーガーの味もそこまで悪くない。接客対応も可もなく不可もなく。

例文4)店員さんの対応が丁寧で好感がもてるが、ハンバーガーは他店と比べてあまり美味しくない。

結果として、全ての例文において意図した通りの結果となりました。日本語特有の言い回しも大部分を把握しており、「中性」や「混在」といった複雑性の高い処理も難なくこなしてくれます。

ChatGPTの活用 – 類似性の抽出

では、ChatGPTが3つ目に提示した「類似性」の抽出について実際のデモを通して確認してみようと思います。今回は前回までと異なり一度に複数の例文を提示し、その中から類似性を見つけてもらうかたちでデモを行っていきます。

例文1)このショッピングモールはファミリー層をターゲットにしているだけあって駐車場が大きくて助かる。またショッピングモール内に休憩できるベンチや休憩所が多数設置されており、買い物待ちの父もリラックスしています。一方でファストフード店が多くアレルギー対応のお店が少ないため、子供が小さい場合には食後に訪れるのが良いかもしれません。

例文2)県内最大のショッピングモール。この場所一つで休日の買い物を完結することができる点が最大のメリットです。一方でショッピングモールが大きい割に施設マップの情報が少なく、モール内でお店を探すのがとても大変です。ダイエット中の方には良いかもしれませんね。。アレルギー持ちの人間がいるためビーガン対応のお店があるとなお嬉しいです。

例文3)1日あっても回りきれないほどの大きさ!とあるブランドの店員さんが好みの服探しを親切に手伝ってくれてとても良い気分でしたが、グルテンフリーの料理があるお店はなく残念でした。またモール内に案内板がもっとあると良かったと思います。

この回答はあまり好ましいものではありませんでした。3つの例文全てに類似する内容・2つの例文に類似する内容のうち被ってしまっている内容が存在し、またそれぞれの内容が助長的になりました。少し聞き方を変えてもう一度試してみましょう。

2つの例文「のみ」に共通する内容と聞き方(プロンプト)を変えることで、内容の重複がなくなりました。また30文字と具体的に制限をつけることで、文字数自体は30文字を超えてしまっているものの先ほどと比べて格段に短い文章となりました。

ただし一部要約内容が正しくないことや重複している内容もあり、類似性の抽出という点においては、まだ日本語において人間と同じレベルという判断を下すのは時期尚早と思われる結果でした。しかし、今回のように3つだけの例文ではなく、10個以上の文章の中から共通点を抽出する場合などには時間を短縮することができるため、予めChatGPTを使って情報を絞り込んだうえで人の手で最終的に内容をまとめると効果的な作業を行うことができそうです。

ChatGPTの活用 – 自動応答の生成

顧客からのフィードバックに対して完全に自動の応答を生成するためにはChatGPTの開発団体であるOpenAIのAPIを活用して開発を行う必要があるため、この項目はテキストベースの質問だけでは実現することができませんが、先ほどの例文を使用して顧客からのフィードバックに対して返信を生成するよう依頼してみましょう。

出力された回答は、内容をなぞっているため回答内容が少し浅く感じられることはありますが、AIが書いているとは気づかない人も多そうだと感じるほど一般的な返信に近い内容を得ることができました。完全にテンプレートされた回答で全ての口コミに同一の回答を行うよりは、ChatGPTを活用して個別の口コミ内容に沿って調整した内容を返信することで、より人間味のある対応を行うことができそうです。

ChatGPTの活用 – 潜在的な問題の発見

こちらも先程と同様に例文から潜在的な問題を発見できるか確認してみましょう。

例文内におけるマップと案内版はほぼ同じ意味ではありますが、みごとに潜在的な問題を抽出してくれました。このタスクにおいては、今までの集大成のように感情分析・類似性の発見・カテゴリ分けといった能力をフル活用して問題が抽出されました。短時間での分析を行いたい場合には、はじめからこのような聞き方をすることで素早く結果を得ることができそうです。

ChatGPTに代表されるAIを使う上での注意事項

AIも間違えることがある

ChatGPTを使うことで人力で行う場合と比べて遥かに作業効率が向上しますが、インターネット上の情報を鵜呑みにしてはいけないように、AIが回答した内容にも間違いが含まれていることがあります。AIの回答はあくまで参考として使用し、事実確認を怠らないことが大切です。

文字数制限がある

ChatGPTでは約1,000文字程度の回答しか得ることができないため、膨大な量のデータ処理や記事執筆などには向いていません。大きなデータを扱いたい場合には、チャットではなくOpenAIのAPIを活用するか、専用の外部ツールなどを使うほうが良さそうです。

オプトアウトを行うこと(任意)

ChatGPTはデフォルトの設定では、入力した内容を学習材料として使用する設定となっています。法人で利用する場合には、メール文章の作成などにおいて社員が機密情報を入力する危険性などが考えられるため、オプトアウト設定を行い学習材料として使用させないことが重要です。

オプトアウト申請フォーム または管理画面内の設定からオプトアウトを行うことができます。

AI自動返信機能(powered by ChatGPT)で口コミ返信を自動化

口コミ管理ツール『EmbedSocial』では、Googleから収集した口コミに対して管理画面から直接返信を行うことができます。そのうえで今回ChatGPTを活用することで返信内容をワンクリックで生成することができるようになりました。

都度返信内容を人力で考えること無く、人間が書いた内容と遜色ないものをAI力で高速に作成することができ、MEO対策における業務効率化を実現できます。

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EmbedSocial Japan編集部
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