TikTokでは自社アプリケーションの開発や、広告・ビジネスアカウント運用の自動化を目的として複数のAPIが提供されています。ただし一般的な記事は技術面での解説が多く、できることの概要把握が難しいのが現状です。そこで今回は、TikTok APIの概要とできることを紹介するとともに、活用方法や注意点についても合わせて解説いたします。
TikTok(ティックトック)は、中国の企業であるByteDance社によって開発された、スマートフォン向けのショートムービー・プラットフォームです。TikTokのユーザーは、15秒から60秒の短い動画を作成・編集し、共有することができます。世界中で急速に人気が高まり、多くの若者たちに愛されています。企業やマーケターも、広告やプロモーションのためにTikTokを活用しています。
TikTokが人気の理由には、以下のような要因があります。
TikTokは短い動画を作成しやすく、様々なエフェクトやフィルターが用意されているため、専門的な動画編集のスキルがなくとも誰でも簡単にクリエイティブな動画を作成することができます。
ショートムービーが中心であるTikTokでは音楽やダンス、コメディーなどのカルチャーが豊富に盛り込まれているため、若者たちを中心に様々な趣味や嗜好に合わせたコンテンツが充実しています。
また投稿された動画はユーザー同士が動画を共有することで、大きく拡散され話題を呼ぶことがあります。大手芸能事務所に所属しない個人でも一躍プロになれる可能性があり、また過去話題になった作品などがTikTokでの拡散を通して大きく注目を集め売上を伸ばすケースもあります。
TikTokのプラットフォームでは、ユーザーの行動履歴や好みに合わせたコンテンツをおすすめする優れたAI技術が導入されています。そのため、ユーザーは自分の興味関心が高いコンテンツを次々と簡単に見つけることができます。
世界中のユーザーが利用していることで、様々な国や文化のコンテンツがTikTokには集まっています。世界中から興味のあるコンテンツを探すことができるため、ユーザーは飽きることなく動画を楽しむことができます。
APIとは「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェアアプリケーション間の相互作用を可能にするインターフェースです。
APIは、ソフトウェアアプリケーションが他のアプリケーションやサービスと通信するための方法を提供します。APIを使用することで、アプリケーションが別のアプリケーションやサービスから情報を取得したり、機能を呼び出したりすることができます。これにより、プログラム開発者は同じ機能を再開発する必要がなく、開発時間を短縮することができます。
APIは、開発者コミュニティによって幅広く使用されており、多くのWebサイトやアプリケーションを構築するのに必要不可欠な存在になっています。
TikTok for developers は、エコシステムの拡大を促進することを目的としてTikTokが提供する開発者向けプラットフォームであり、APIやSDKを通じて、TikTok上でのアプリケーション開発やカスタマイズを可能にするものです。TikTok for developers を使うと、以下のようなことが可能となります。
TikTokのアカウント認証機能を利用して、自社アプリケーションでのユーザー認証を行うことができます。ユーザーエクスペリエンスの改善・パスワード漏洩の危険性などを減らすことができ、TikTokと親和性の高いアプリではとても有用です。
自社アプリ上にTikTokに動画をシェアするボタンを追加することができます。作成した動画を瞬時に投稿することができるため、動画編集アプリやカメラアプリなどで活用することが見込めます。
ユーザーがTikTokへと投稿した動画の一覧や投稿者情報を取得し、自社アプリ上で表示させることができます。TikTokの動画をギャラリーとして活用することで、自社アプリ上でのコンテンツを拡充させると同時に、TikTokでのフォロワー獲得にも貢献できます。
研究者は専用のAPIの利用を申請することができ、このAPIではコンテンツに対するいいね数やシェア数、キーワード検索での関連投稿数の結果などのパブリックデータにアクセスすることができます。(2023年3月現在ではアメリカのみが対象)
このようにTikTok for developers を使うことで、開発者は自分のアプリをTikTok上でより効果的に宣伝し、ユーザーエクスペリエンスを改善することができるようになります。
TikTok for Businessは、TikTokが提供するビジネス向けのプラットフォームであり、TikTok上での広告の配信や測定などを通して事業を成長させることができるよう様々な機能が提供されています。具体的には、以下のようなソリューションが提供されています。
TikTokのフォーマットに合わせた専用の動画を作成し、アプリ起動時やインフィードなど様々な場所で表示させることができます。テキストや画像のみの広告とは異なり、ショートムービーを通してサービスの魅力を紹介することができるため、訴求できる内容が多く、広告として活用できる商材の幅が広い点が特徴です。
ビジネスアカウントへと切り替えを行うことで、インサイト情報にアクセスすることができるだけでなく、ブランド向けのクリエイティブガイドや商用利用可能な音楽ライブラリにもアクセスすることができるようになります。
Instagramと同様に、動画内に登場する商品情報を登録し、TikTokのプラットフォーム上で決済まで完結させることができます。作成したコマース向けのショートムービーに対して広告を活用すれば、多くのユーザーにTikTok上での購買体験を広めることができます。
TikTok上で出稿した広告によるコンバージョンの成果をまとめるだけでなく、広告が適切な箇所で表示されているかを可視化することなどができます。
以上で紹介した機能において関連するのがTikTok API for Businessです。このAPIを活用することで、広告キャンペーンの管理から効果測定、ビジネスアカウントの運用にいたるまで、上記で紹介した内容を外部アプリケーションと連携させ自動化させることができます。
TikTok for Developersは、TikTokプラットフォームにアクセスして、アプリケーションやツールを開発するためのAPIとリソースを提供するプラットフォームです。開発者は、専用のAPIキーを取得してアプリケーションとTikTokのサーバーと間で通信を行い、ユーザーの動画を表示させたり、編集・公開させるアプリケーションを作成することができます。
一方、TikTok API for Business では、ビジネスのための広告キャンペーンやビジネスアカウント運用を自動化・効率化させるためのAPIとリソースを提供するプラットフォームです。このプラットフォームを使用することで、広告代理店やマーケターは、ターゲットユーザーに対して効果的な広告キャンペーンを実行するために必要なデータやツールにアクセスできます。
つまり、TikTok for Developersは、TikTokプラットフォームを活用した新たなアプリケーションや機能を構築し第三者へ提供することを主目的に提供されているのに対し、TikTok API for Businessは、利用する企業自身の広告運用や効果測定、ビジネスアカウントの運用を効率化・自動化させることを主目的として提供されています。
TikTokに限った話ではありませんが、APIを活用する場合には以下の点に注意することでより安全かつ安定的に運用することができます。
APIを使用する場合は、API提供元の利用規約に従う必要があります。専用の開発者ポリシーが用意されている場合もあるため、サービス自体の利用規約と合わせて注意深くチェックし、活用方法に違反がないか確かめることが大切です。
APIを使用する際には、自社アプリケーションとAPI提供元サーバーとの間で通信が発生するため、セキュリティ対策をより一層強化することが求められます。特にAPIキーを盗まれると悪用される危険性が非常に高くなるため、アクセス権限を制限し適切な管理フローを構築することが重要です。
APIは多くの場合無料で提供されているため、多くの場合無制限に使用できるものではなく、リクエストの回数や頻度、取得できるデータなどに制限が発生します。自社のユースケースに合わせて調整し、制限を超えないよう対策を取ることが肝心です。
APIの仕様は普遍的なものではなく、提供元プラットフォームの都合により仕様が変更される可能性があります。APIを使用する際には、最新情報を定期的にチェックし、変更のあった際にも柔軟に対応できる体制を整えておく必要があります。
APIを使用してデータを収集する場合には、SNSの規約だけでなく法律面の遵守も求められます。ユーザーネームなどは個人情報に該当する可能性もあるため、APIで収集されたデータを利用する際には、著作権法などに基づいてプライバシーに配慮したうえでの使用が必要となります。
「少女歌劇団ミモザーヌ」様が運営されるTikTokで投稿された内容を、特設サイト上でSNSフィードとして掲出いただいております。SNSを公式サイトへと連携いただくことで新規投稿があった際には自動で反映させることができ、人の手で都度更新することなくサイトの運用コストを大きく削減することが可能となります。
TikTokの動画をWEBメディア上で活用することで、SNSでの発信を主体する新しい形式のメディアにとっても、大きな負担なくWEBメディアをあわせて運用していくことが可能となります。
一般ユーザーがおすすめアーティストについてTikTokに投稿した動画をURL単位で収集して、サイトに埋め込み表示いただいております。TikTokの埋め込みにより、SNSとウェブサイトでの二重アップロード・管理工数を削減いただいております。
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