商品やサービスのユーザーがSNS上にアップした投稿をUGC(ユーザー生成コンテンツ)と呼びますが、インスタグラムはUGCの力を活用するために適したプラットフォームです。
インスタのUGCの効果に気づいた多くの企業が続々とマーケティングでのUGC活用を活発化させています。
そこでこの記事では、インスタグラムのUGCとは何か、なぜ効果的なのか、またどうやってUGCを集めるかなど活用方法を解説します。
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InstagramのUGCとは、特定の商品やサービスのユーザー投稿のことで、フィード投稿、リール動画、ストーリーなど、インスタ上で共有されたユーザー投稿全般を指します。
お気に入りの商品の紹介、商品を使ってみた様子を載せたもの、使った感想などの口コミなど、様々なコンテンツがあります。
UGC user generated contents (ユーザー生成コンテンツ)が近年注目されているのは、リアルなユーザーの体験談であり、より消費者に親近感や信頼感を与えやすいという特徴があるからです。
ソーシャルメディアの普及により個人の情報発信が容易になったこと、企業都合で一方的な感のある広告に対する嫌悪感の広がりなどの背景も伴い、UGCをマーケティング活動に導入する企業が増えているのです。
インスタグラムUGCは、具体的にどのような形で企業のマーケティングで活用されているのでしょうか。ここでは代表的な活用方法を3つご紹介しましょう。
一般のユーザーの投稿をリポストし、自社アカウントで活用する方法です。
フィードの投稿をストーリーにリポストして、その後投稿として共有する方法、リポスト用の別のアプリを利用する方法で等で、第三者のUGCを自社アカウントに表示することができます。
リポストした投稿は日々のコンテンツ拡充に頭を悩ませるSNS担当者の負担を軽減するだけでなく、実際に体験した人の感想をシェアすることで、自社アカウントのフォロワーに対する共感を促進することができます。
一般ユーザーが投稿した自社の商品やサービスに関する投稿を、ECサイトやホームページなどで口コミ・お客様の声として表示する方法です。
従来のサイトに載せられている口コミ・お客様の声は、口コミの出典が明記されていないケースなども多く、信憑性に欠けるものも多くみられました。
一方インスタグラムUGCは、リンクや投稿内容を辿ることで投稿者を特定することができることから、第三者によって実際に投稿されたものであることを簡単に証明することができ、信頼しやすい口コミと言えます。
インスタグラムUGCを広告素材として活用する方法です。
ウェブ上ではたくさんの広告が常に表示されているため、若年層を中心に広告そのものに対する嫌悪感が高まっているといわれていますが、UGCを活用すれば、広告をオーガニック投稿の中に溶け込ませてより自然な形で訴求することができます。
UGCはインスタグラム以外のSNSやブログ、口コミサイト等、様々な場所に存在します。しかしインスタグラムのUGCは、最もマーケティングで活用するのに効果的なコンテンツと言えます。
私たちEmbedSocialはUGC活用をサポートするツールを提供していますが、最も使われているのがインスタグラムのUGCです。
なぜ、インスタグラムUGCはマーケティングにおいて効果的なのでしょうか?
インスタグラムは写真と動画を中心としたビジュアル重視のプラットフォームです。ビジュアル面を強化するための様々な機能が搭載されています。
ユーザーは、商品やサービスの写真や動画を魅力ある形で投稿しやすく、そしてそれらのコンテンツは見やすく他のユーザーに共有されます。
特にファッション、美容、フード、旅行など、視覚的な要素が重要な商品やサービスにおいて、インスタグラムのUGCは強力な視覚的効果をもたらすのです。
インスタグラムでは、フィードの写真だけでなく、リール動画や24時間限定公開のストーリーと、様々なフォーマットで投稿が可能です。
UGCを集める企業としては、自社のマーケティングキャンペーンの目的に合わせてフォーマットを使い分けることができるため、インスタグラムUGCは重宝するコンテンツなのです。
インスタグラムが登場した当初は、若い女性のアプリとして浸透しましたが、それも昔。現在ではユーザー層は広く、他のSNS比べて比較的高い利用率を誇るプラットフォームに成長しています。
利用者が多ければ、それだけUGCを集めやすいため、企業がUGCを活用する際には、Instagramは外せないプラットフォームになっているのです。
マスメディアでも知られる芸能人や著名人から、特定の領域でのみ知られているマイクロインフルエンサーまで、インスタグラム上では多くのインフルエンサーが活躍しています。
彼らの多くはコアなフォロワー(ファン)を抱えており、他のメディアよりもよりインタラクティブなコミュニケーションを楽しんでます。
インフルエンサーはフォロワーに大きな影響力があるため、UGCの生成や収集に活用しやすいのです。
インスタグラムではハッシュタグを使用して投稿をタグ付けすることが、一般的に浸透しています。
そのため、企業にとっては自社のブランド名やキャンペーンのハッシュタグで関連するユーザー投稿を検索したり、一箇所に集約することがやりやすく、インスタグラムUGCは、マーケティングでの運用に適しているといえます。
インスタグラムUGCを活用する上で最も多い悩みが、たくさんのUGCを獲得できない、という問題です。
そのためUGCを集める際には、様々なの促進策が必要となります。UGCを増やすためには以下のような手法がよく採用されています。
特定のハッシュタグを使ってフォロワーにコンテンツを投稿してもらうキャンペーンを展開する方法です。
ユーザーにコンテンツを投稿してもらうためのインセンティブを提供することが効果的です。コンテストやプレゼント企画を実施し、投稿してくれたユーザーに賞品や特典を与えることで、UGCを増やすことができます。
人気のあるインフルエンサーやブランドのアンバサダーと提携し、UGCの投稿を促進することも有効です。インフルエンサーの影響力を活用して、より多くのユーザーが参加するきっかけを作り出すことができます。
ウェブ上での施策だけでなく、ブランドが主催するイベントやキャンペーンに参加した人にその場でのUGC投稿を促すことで、一度に数多くのUGCを獲得することができます。
対面でのイベントにおいては顧客と顔を合わせて説明することができるため、投稿する内容のレギュレーションも調整しやすいことが利点です。
投稿することで多くの人に見てもらえる・リアクションをもらえると、直接的な対価がなくともユーザー自身が積極的にUGCを投稿してくれる可能性が高くなります。
自社ブランドに関連する投稿に対する手厚いコメントやリアクション、自社アカウントや公式サイトでのシェアなど、コミュニティ育成には日々のコミュニケーションを深化させることが重要です。
InstagramのUGCを活用したマーケティング施策は、以下のようなステップで進めていきます。
なお、インスタグラムUGCで特に注意が必要な点は以下の通りです。
UGCを投稿してもらうためのハッシュタグは自社ブランド名などでも構いませんが、できれば独自のハッシュタグを用意することがおすすめです。
UGC専用のハッシュタグで投稿された内容は、投稿者もUGCとして活用されることを想定しているため、利用許諾の取得が容易となり、また、ハッシュタグキャンペーンの実施時などにおいても、参加者の区別が容易となりキャンペーン利用規約への合意が明確になります。
公式アカウントでのリポストや、ウェブサイトまたはその他の場所でインスタグラムのUGCを活用する際には、使用許諾を確認したうえで活用することが推奨されます。
使用許諾の確認方法としては、投稿のコメント欄やダイレクトメッセージにおいて、公式アカウントから使用許諾をもとめるメッセージを送ります。使用許可をもらった際には、スクリーンショットを残しておくこともおすすめです。
UGC活用ツールEmbedSocialではインスタグラムのUGCの利用の許諾を取る機能が実装されており、煩雑な許可取得の作業を効率化することができます。
新しくマーケティング施策を展開する際には、その費用対効果を説明する必要がある場合も多いでしょう。
インスタグラムUGCは低予算にも拘わらず消費者の購買意向を増加させることから、費用対効果の様さが評価されています。
その大きな理由は、UGCはユーザーの投稿を活用するため、広告として活用する際にも制作費を低く抑えられること、また広告以外の活用では、広告の運用費なども不要になることなどが理由としてあります。
インスタグラムUGCにかかるコストは、大きく分けて以下の2つがあります。
UGCを集めたり管理したりするためにかかったコスト。例えば、UGC投稿に付与するインセンティブの費用、キャンペーンを実施するためのUGC活用ツールの費用など。
UGCをWEBサイトや広告クリエイティブで活用する際のコスト。広告制作のための費用など。
一方で、インスタグラムUGCを活用した効果は、以下のような指標で測ることが可能です。
UGCがSNS上でどれだけのいいねやシェア、コメントなどの反応を得たか
UGCがどれだけのユーザーに影響を与えたか(SNS上でのアクティブユーザー数やブランドへのアクション数など)
UGCがどれだけのユーザーを実際に購買行動に導いたか
創業明治17年富山県に拠点をおく老舗食品メーカー「かね七」様では、Instagramから取得したUGC投稿をECサイト各商品ページに掲載し、お客様の声として活用いただいております。インタビューにおいては、UGCの導入後お客様からの感想や反応をいただく数が増えた、体感ではあるが自社サイト経由での売り上げが増加したと話してくれました。
またUGCの使用許諾の申請においては、今では「私の投稿は全部掲載OK」と言ってくださる方が現れるなど、掲載にも協力的な方がたくさんいらっしゃるとのことでした。
下記ページで表示いただいている画像一覧は、EmbedSocialを使って実際にお客様のInstagram投稿を収集し表示いただいている事例です。レイアウトの作成も管理画面から設定が可能です。
InstagramのUGC投稿は、口コミとしてだけでなく画像としての利用価値も高いため、ウェブサイトの画像ギャラリーとしても活用することができます。北海道を中心に多店舗展開する回転寿司チェーン「根室花まる」様では、公式サイト上から、来店の際に「#根室花まる」などのハッシュタグをつけて投稿を促し、Instagram上へと実際に投稿された内容を公式サイト上に掲載いただいております。
実際のお客様の目線で来店後のイメージを想起させることができ、ときにサービス提供者が気づかない魅力をも顕在化させるのがUGCを活用する魅力の一つです。
観光庁のDX推進プロジェクトの一つである「福井県観光DX推進コンソーシアム」においては、ソーシャルメディア上のUGCから観光データ抽出を実施されました。企画されたイベントやハッシュタグキャンペーンを通して一般ユーザーからのInstagram投稿を集め、ハッシュタグをもとにして観光スポットの情報を割り出したうえで訪問者が魅力に感じる点を定量的に分析されています。
またInstagramの投稿だけでなくGoogleマップの口コミを同時に活用することで、各観光スポットにおける現状を魅力という観点だけでなく不満などのネガティブな側面を含めてデータ解析を行い、観光地の磨き上げ・データを活用した企画立案や商品開発の実現に役立てております。
インスタグラムのUGCを活用する際には、以下のような点に注意しましょう。
SNSに投稿されたコンテンツについては、ユーザーは利用開始時の利用規約への同意ににより、第三者が再利用(リポストなど)することを認める、ということになってはいますが、コンテンツの著作権が投稿者にあることは、他のコンテンツと変わりがありません。
そのためUGCを自社で活用したい場合には、まず投稿者から使用の許可を得ることをお勧めします。
ユーザー側が主体となり作成するUGCは、複数のソーシャルメディアにまたがるほど自社に関連するUGCを管理することが難しくなります。そのため、社内でフローやルールを作成し、定期的・継続的に管理を行う必要があります。
また、ユーザーの自由な発想による投稿が基本のUGCであるため、自社のWEBサイトなどで活用する場合には、取捨選択をする必要があります。
以下に、継続的に管理すべき項目を挙げておきます。
なおUGCはコンテンツの質に差が出やすいことも特徴です。効果的なUGCの選定には選定者の力量が問われるため、大きな企業であるほどUGCの活用においてはクリエイティブの監修ができる人材の必要性が高まります。
ステルスマーケティングとは、企業が、広告やPRであることを消費者が分からないような形でマーケティングコンテンツを表示する手法のことを言います。
UGCは、その投稿がユーザーの自主的な意思に基づく内容であれば基本的にはステルスマーケティングには当たりません。しかし、企業側がユーザーの意思や感想を一定方向に導くような形でUGCの投稿を促した場合、ステルスマーケティングにあたる可能性があります。
どのようなケースがOKなのかなど、当社の別のブログでステルスマーケティングについて詳細に解説していますので、詳しくはそちらを参考になさってください。
今回の記事では、インスタグラムUGCの効果やその理由、実際にUGCを活用する際の方法などをご紹介しました。
UGCは、一般のユーザーの投稿したコンテンツであるため、他の消費者の信頼や親近感を醸成しやすいため購買行動を喚起しやすいコンテンツです。また企業にとってはインスタグラムの運用が楽になるなど、様々なメリットがあります。
今回の記事がインスタグラムUGCの活用を検討している皆様のお役に立てば、幸いです。
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