ここ数年で浸透したオンラインイベントですが、参加者とのコミュニケーションが取りにくく、また集客や収益の確保が難しいといったデメリットがあります。 そこで今回はオンラインイベントをSNSを活用して成功に導くための10のアイディアを、事例とともにご紹介したいと思います。
2020年頃より一気に浸透したオンラインイベント。様々な状況の制約を受けずに開催できるメリットがある一方、各種調査の結果をみてみると、イベント運営者は以下のような課題を感じていることが分かります。
参考)国内のオンラインイベントに関する各種調査の例:
2020年オンラインイベントに関する調査(Peatix Japan株式会社)
「コロナで急拡大したビジネスイベントのオンライン化に関する実態調査」(株式会社ブイキューブ)
これらの課題の解決策としてSNSの活用をぜひお勧めしたいと思います。ご存知の通りSNSは双方向性や拡散性に優れたツールです。すべての課題を解決することは難しくても、主要な課題である集客や参加者とのコミュニケーションを改善するツールとして有望です。
以下に、オンラインイベントの集客やコミュニケーションの問題を解決するためのSNS活用策を事例を交えてご紹介します。
SNS活用の第一歩として、まずはイベント用のハッシュタグを用意しましょう。イベント専用のハッシュタグを作るメリットは、SNS上の投稿を主催者側が収集しやすくなったり、参加者がイベントに関する投稿を見やすくなったりすることです。ハッシュタグは参加者とのコミュニケーションのハブ(中心拠点)として機能します。
まずは作ったハッシュタグを使って、インスタグラムやツイッターを使い、告知に活用しましょう。集客のためには、イベントハッシュタグと共に、ターゲットとなる参加者層の目に留まりそうなハッシュタグを組み合わせて投稿を拡散します。
例えばイベント出演者や登壇者の名前、スポーツイベントだったら種目名、音楽イベントだったらジャンル、ビジネスセミナーだったらテーマや部門などにハッシュタグを付けて投稿してみましょう。
そしてイベント中は参加者にこのハッシュタグを使ってイベントに参加している様子などを投稿してもらいましょう。
2021年2月に高知県が主催したの海外のよさこいファン向けのオンラインキャンペーン「Yosakoi Challenge Campaign」では、指定のハッシュタグを付けてよさこいファンに踊っている動画を投稿してもらう形で、世界中のファンにキャンペーンへの参加を促しました。ハッシュタグを使えば、海外からもイベントの参加者を集めることができる、オンラインならではの強みが分かるよい事例ですね。
SNSを活用して、主催者と参加者の間でのコミュニケーションを活性化しましょう。一番簡単な取り組みは、参加者のイベントに関する投稿に反応することです。いいねを押す、簡単なコメントを返すだけでも、参加者はイベントとつながっている感じを得ることが出来ます。
さらに、インスタグラムやツイッターの「アンケート」や「投票」機能を利用して、イベント主催者から質問や投票を投げかけ参加者に答えてもらう企画も、イベントに参加している感覚を味わってもらうのによいアイディアでしょう。
2021年に開催されたUEFA EURO 2020ではX(旧Twitter)を使ってスタジアムで流してほしい曲などを投票させるなどインタラクティブな投稿が活用されていました。
このような投稿は簡単にできます。例えばインスタグラムでは、ストーリーを使って、アンケートなど双方向のやり取りができます。ストーリーの作成画面に進み、顔のような画面上部のボタンをタップすると、いろいろなスタンプが出てきます。
この中から、「質問」「アンケート」「クイズ」を選び、なにか質問をしてみましょう。この時、ハッシュタグスタンプを使ってイベントのハッシュタグも忘れずにつけておきましょう。
X(旧Twitter)では投票フォーマットが利用できます。ツイート作成画面下のグラフのようなアイコンをタップして質問と選択肢をタイプし、投票期間を設定して、ポストしてみましょう。
なお、投票してくれた人々は結果が気になるものです。アンケートや投票機能で集めた回答の集計結果は、イベントの終盤など盛り上がるタイミングで公表すると効果的です。余計な不評を買うことにつながるので、聞きっぱなしや、投票結果をあいまいにしてしまうといったことをしないように気を付けてください。
普段は見られないレアなバックステージなどの様子をSNSに投稿して、イベント参加者にプレミア感を感じてもらうのも、イベントの満足感を高めるのに効果的です。
イベントを準備している様子、スタッフの仕事ぶり、出演者がいるのであれば出番の前後などの様子を写真や動画でシェアしましょう。
これはイベントに限らず、企業の公式アカウントなどでもよく取られる手法です。最近はTVドラマの宣伝でもよく見かけますね。商品やサービスの完成形を見てもらうだけでなく、そこに至るストーリーを共有することで、より消費者に身近に感じてもらうことが出来ることがこの背景にあります。
また、著名人がイベントに参加していれば、その模様を投稿でシェアするのも、参加者の気持ちを盛り上げることを助けるはずです。
イベントの期間中に、参加者がある一定期間同じ行動に取り組むミニイベントを組み込むことで、参加者の”イベントに参加している”感を醸成し、さらにそれをSNS上やイベントホームページなどで共有することで、一体感や盛り上がりを演出できます。
リアルイベントであれば、イベントに参加することそのもので盛り上がりや一体感を作り出すことができるのですが、オンラインイベントでは特別な仕掛けを用意する必要があるのです。
2021年2月に開催された京都マラソンでは、オンラインイベント期間中、自分が走った軌跡で字や絵を表現する「GPSアートコレクション」というミニイベントが行われました。オンラインで完結していながら、同じ行動を多くの人がとることで一つの大会に参加している感覚になる素晴らしいアイディアでした。
少し話がそれますが、この「GPSアートコレクション」企画は、画面に統一感が出る、一目で投稿の面白さが分かる、参加者のイベント参加の様子が容易に想像できる、他の人の投稿が気になる、といった点で、UGC(ユーザー生成コンテンツ)活用の好事例としての側面もあります。
京都マラソン2021はオンラインでのスポーツイベントの可能性を広げるヒントがたくさん詰まった、イベント関係者必見のケーススタディとして、大変勉強になる事例でした。
なお、オンラインイベント内でミニイベントを行う場合には、密が発生せずに参加者がそれぞれの環境下で楽しめる企画にするなど、社会状況を鑑みた工夫が必要になることも、付け加えておきます。
イベントの一部や全部をライブで配信して、リアルイベントの雰囲気を参加者に味わってもらう仕掛けを用意しましょう。場所は違っていても、リアルタイムで同じ時間を参加者同士で共有できると、リアルイベントに近い参加感覚を持たせることができます。
ライブ配信を見ながらハッシュタグ付きでコメントをしてもらえば、タイムライン上で参加者同士がコミュニケーションをとることも可能です。Youtubeなどのライブ配信のコメント欄、ツイッターのタイムラインなど、リアルタイムでコメントを見ながらイベントやライブに参加したことがある方も多いかもしれません。
2020年9月に開催された三条楽音祭’20は、リアルの音楽フェスから、生配信と収録映像などを駆使したオンラインイベントに切り替えてイベントを実施しました。配信だけではなく、過去に同イベントに参加した思い出の写真の投稿を呼び掛けたハッシュタグキャンペーンなども組み合わせた、オンラインイベントならではのアイディア満載の素晴らしいイベント事例です。
大規模なライブ配信プラットフォームの利用はもちろんおすすめですが、SNSだけでも手軽にライブ配信ができるようになっているので、比較的誰でも取り組めます。インスタグラムなどのライブ配信には、いわゆる”投げ銭”機能、つまり配信を見ている視聴者が配信者に対して直接お金を落とせる仕組みがついているので、イベントの収益にも良い影響を与えるかもしれません。
代表的なSNSのライブ配信機能のやり方について、公式ページへのリンクをまとめてましたので、参考にしてみてください。
参加者や運営サイドからの投稿を収集し、一つのコンテンツ化してイベント特設ウェブサイト等に表示して、参加者が集うバーチャルな場を提供しましょう。
イベント関連の投稿を一つのコンテンツ化し、イベントサイトなどで見せることで、参加者は他の参加者のイベント参加の様子を知ることが出来ます。このことはイベントとの一体感や参加感を醸成することに役立つでしょう。
特に参加者が作成したコンテンツ=UGC(ユーザー生成コンテンツ)は、近年広告に代わる強力なツールとして注目されています。イベント関連のUGCをイベントのサイトやLPに埋め込めば、参加者をサイトへ誘引する強力なフックとして使うこともできます。
多くの参加者がイベントサイトを訪れれば、サイト上のイベント関連グッズ販売ページ等への波及効果も期待できます。
UGCを集めてイベントサイトに表示するには、UGC活用ツールの利用がおすすめです。
UGC活用ツールを利用するメリットは以下の通りです。
参加者からの投稿を収集して利用可能なイベント関連コンテンツ化するには、投稿の掲載許可をとったり、不適切な投稿などを非表示にするなどの対策が必要です。
さらにUGC活用ツールとして多くの企業が使っているEmbedSocialを使えば、InstagramやX(旧Twitter)はもちろん、TikTok、YouTube、LinkedIn、Googleなど様々なSNSを通じて投稿されたユーザーの投稿=UGC(ユーザー生成コンテンツ)をまとめてウェブサイトに連携表示することができます。
UGC活用ツールでSNSを使ったオンラインイベント活性化させることに興味がある方は、今すぐ無料トライアルをお試しいただくか、ぜひエンベッドソーシャルジャパンまでお問い合わせください。
フォトブースを用意して、イベント参加者に写真を投稿することを促しましょう。リアルイベントでよく見られるフォトブースは、オンラインイベントでも効果的です。離れた場所からそれぞれ参加している人々が、同じような写真を撮ることで一体感を感じることが出来ます。ただし、オンラインイベントの場合では特別の工夫が必要です。
オンラインイベントでフォトブースを活用する場合は、フォトブースに参加者が殺到することをさけるため、フォトブースを複数用意したり、撮影可能期間を長く設定するなど、混乱が起きないように慎重に準備しましょう。
2021年の静岡市の成人式は残念ながらオンラインでの開催となったのですが、少しでも新成人の皆さんの思い出に残るようにと、市内6か所に記念撮影用のフォトスポットが用意されました。このほかにも記念撮影した写真を指定のハッシュタグをつけて投稿することを促し、これらの写真はまとめて成人式の特設ウェブサイトに表示されました。
フォトブースをさらに応用して、ARを使ったデジタルフォトフレームを利用することもよいアイディアです。フレームを参加者に送ったり、または、街のどこかにQRコードを掲示して参加者に探してもらうというような、活用策4(イベント内イベント)の企画と組み合わせると、さらに盛り上がるかもしれません。
ちなみにデジタルとは真逆の方向性で、参加者に写真撮影用のイベントノベルティグッズをチケット代わりに送付するのもおすすめしたいです。
オンラインイベントの集客にはインフルエンサーを活用することが有効です。
SNSを使ったインフルエンサーによる集客は、従来の伝統的なマーケティング手法と比較して、情報の拡散力が強いため、集客につなげやすいという特徴があります。
さらにインフルエンサーは彼らのフォロワーへの影響力が強いため、彼らを通して情報発信することで、信頼を獲得したりエンゲージメントを高めることもできます。
イベントのテーマに関連性のあるインフルエンサーを選び、彼らのエンゲージメント率とブランド価値との一致を確認してください。また、彼らのコンテンツスタイルとオーディエンスの人口統計がイベントの目標オーディエンスに合っているかどうかも重要です。
もし定期的なイベントを開催する予定があるのなら、参加者と継続的なつながりを保つことは、次のイベントの成功につながります。
そのためSNSを使ってイベントの終了後に感想や口コミを参加者にリクエストすることがおすすめです。イベント後もつながりを保つことができるうえ、次回イベントの改善点も発見できるからです。
SNSでの口コミやフィードバックの収集は、参加者との継続的な対話を促進し、イベントをよりパーソナライズされた体験に変えることができます。このような対話は、参加者がイベントに対して感じるつながりを強化し、ブランドの長期的なファンを作り出すのに役立ちます。
限定情報のティーザー(予告)配信は、イベントの事前プロモーションにおいて、参加者の興味を引きつけ、期待感を高める重要な戦略です。
配信するコンテンツは、物語性のあるものや、クオリティの高い動画や画像を使ってビジュアルに訴える者が良いでしょう。
また、インスタグラムのストーリーズの「カウントダウン」スタンプや、一定数のいいねが集まったら情報を解禁するなど、SNSの機能をうまく活用することもよい方法です。
参加者が場所を選ばずに気軽に参加できるオンラインイベントは、今後も多く開催されていくでしょう。
SNSを上手に活用して、参加者とのコミュニケーションをとりながら、盛り上がるオンラインイベントを運営していきましょう!
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