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UGC活用の施策事例集:実際の取り組みから学ぶ成功のポイント

UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用したマーケティングは、消費者の信頼を得てブランド価値を高める効果的な手法として注目されています。しかし、実際にUGC施策を導入している企業の多くが、期待通りの効果を得ることができていないのが現状です。特に、費用対効果の高い施策を実現するのが難しいと感じる企業が少なくありません。

この課題を解決するために、EmbedSocialはUGC活用に関するノウハウを広げることを目的とし、本記事を通じて具体的な成功事例や効果的な施策を紹介します。実際の取り組みから得られた教訓を学び、UGC施策の費用対効果を最大化するためのヒントを見つけてください。

この記事の内容は、EmbedSocialが3,000ユーザー以上のベストプラクティスをまとめたホワイトペーパー(100ページ超)からの抜粋です。さらに詳しい内容を見たい方は、以下よりホワイトペーパーをダウンロードいただけますと幸いです。

UGCマーケティングに関する施策の全体像

UGC施策には様々な取り組みがありますが、大きく分けると以下の3つの枠組みに分類することができます。それは、「UGCを獲得する施策」、「UGCを二次利用する施策」、そして「UGCを分析する施策」です。それぞれの枠組みには異なるアプローチと目的があり、企業がUGCを効果的に活用するための重要なステップとなります。

まず、「UGCを獲得する施策」では、消費者から自発的にコンテンツを収集する方法について解説します。その次に、「UGCを二次利用する施策」では、収集したコンテンツをいかにしてマーケティング活動に活かすかを紹介します。そして最後に、「UGCを分析する施策」として、集まったUGCから得られるデータをどのようにビジネスに役立てるかについて説明します。

このセクションでは、各枠組みの特徴や実際の成功事例を通して、UGC施策の効果を最大化するための具体的な方法を探っていきます。それぞれのステップで効果的なアプローチを理解し、UGC活用の幅を広げるためのヒントを得てください。

消費者に投稿を促すための戦略とは?UGC獲得のアプローチと実践

UGC(ユーザー生成コンテンツ)は企業にとって貴重なマーケティングリソースですが、消費者が自主的に口コミを投稿するケースは限られています。ある調査によると、インターネット(Google, Amazon, 価格.com)などで「口コミを投稿したことがありますか?」という質問を30代の男女300人に聞いたところ、約6割の人が「口コミを投稿したことがない」と回答しました。

このデータからも、UGCが自然に発生することを期待するだけでは、十分な成果を得るのは難しいことがわかります。そのため、企業はUGCが生まれるのを待つのではなく、積極的に消費者に投稿を促す施策を行う必要があります。

対面での紹介は、店舗やイベントなどの対面の場でスタッフが口コミ投稿やSNSでのシェアを直接促す方法です。対面でのコミュニケーションは信頼感を高め、消費者が行動に移る確率を上げる効果があります。例えば、購入時に「レビューを書いていただけると特典があります」と声をかけるだけでも、投稿率の向上が期待できます。

ファイナンシャル・プランナー事務所を経営されている「FP Office」様では、実際に来店いただいたお客様に口コミの投稿を依頼し、数多くのUGCを獲得することに成功されています。UGCを使って比較的怪しまれやすいという金融系事業の信用を可視化し、見込み客の成約率向上に繋げられています。

SNSキャンペーンも効率の良い施策の一つです。ハッシュタグを使ったキャンペーンやユーザー参加型のフォトコンテストをSNS上で実施することで、多くの消費者に投稿を促すことができます。参加者に対するインセンティブ(特典やプレゼント)を提供することで投稿の意欲を高め、自然発生的に多くのUGCを集めることができます。

ホテル八木様ではSNSキャンペーンを通してUGC・フォロワー両方の獲得を行うことに成功し、得たノウハウをもとにキャンペーンを連続的に行うことで合計1万件以上のUGCを獲得することに成功されています。

他にもインフルエンサーの活用や、フォーム・メールマガジンでの取得などUGCを増やすための施策は数多くあります。これらの施策を組み合わせることで、UGCの発生を効率的に促進し、企業にとって価値のあるコンテンツを多く生み出すことが期待できます。

二次利用のメリットと背景:デジタル広告の変化とUGCの重要性

デジタル広告市場が拡大する中、SNSやウェブ広告の競争が激化しています。企業が単に認知拡大のために広告を露出するだけでは、効果的な成果につながりにくくなっているのが現状です。加えて、広告の増加によってユーザーの「広告嫌い」が進み、プライバシー意識が高まることで、従来の一方的なアプローチが消費者に響きにくくなっています。こうした背景から、消費者に寄り添った目線でのマーケティングがますます重要になっています。

このような状況において、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の二次利用が注目されています。UGCを活用することで、企業のメッセージを一方的に発信するのではなく、消費者の視点を反映したコンテンツを通じてアプローチできる点が大きな特徴で、以下のようなメリットがあります。

コンテンツの量産と拡充

UGCを活用することで、消費者が自発的に作成したコンテンツを利用できるため、企業自身が制作する手間やコストを大幅に削減できます。これにより、限られたリソースでも多くのコンテンツを発信することができ、マーケティング活動の効率化が図れます。継続的に質の高いコンテンツを提供することで、ブランドの認知度向上にも寄与します。

信頼性の向上

UGCは消費者のリアルな体験や意見に基づいたコンテンツであり、他の消費者にとっても共感しやすく、信頼性が高いという特長があります。企業が発信する広告よりも、実際のユーザーの声に触れることで、商品やサービスに対する信頼感が高まり、購買意欲を促進する効果が期待できます。

顧客ロイヤリティの向上と関係性強化

消費者が投稿したコンテンツを企業が取り上げることで、顧客は自分の意見が企業に認識されていると感じ、関係性が強化されます。このような体験が積み重なることで、顧客ロイヤリティが向上し、長期的なファンの育成にもつながります。

マーケティング施策の成果を最大化する二次利用手法

UGC(ユーザー生成コンテンツ)は、適切に二次利用することで企業のマーケティング活動に大きな効果をもたらします。以下では、UGCを二次利用する具体的な手法を紹介し、それぞれの方法がもたらす効果について解説します。

SNS投稿のリポスト

消費者が投稿した写真や動画、レビューなどを企業の公式SNSアカウントでリポストする方法です。UGCをリポストすることで、顧客が企業とつながりを感じエンゲージメントが高まります。また、実際のユーザーの声を広めることで、他の消費者に対しても信頼性のあるメッセージを伝え、ブランドの好感度を向上させる効果があります。

渡辺直美氏プロデュースのカラーコンタクト『N’s collection』様は、Instagramのユーザー投稿を自社アカウントで多数リポストされ、効率的に多くのフォロワーを獲得することに成功されています。

Webサイトへの埋め込み

UGCを自社のWebサイトに埋め込むことで、商品の紹介ページやホームページの信頼性を向上させます。たとえば、ECサイトの商品ページに顧客レビューを表示することで、訪問者の購買意欲を高めることができます。ユーザーの実際の声や体験がコンテンツとして組み込まれることで、ブランドの信頼感が増します。

サイトへの埋め込みには、専用のツールを活用することがベストです。Instagram公式の埋め込みコードは投稿単位・かつレイアウトが固定されており、またAPIの自社開発は多大なコストがかかるため多くの企業様にとっては現実的な選択肢ではありません。

広告クリエイティブへの活用

UGCをバナー広告や動画広告の素材として使用する方法も効果的です。実際のユーザーの投稿を広告に活用することで、消費者の共感を得やすく、広告の信頼性が高まります。特にSNS広告では、ユーザーのフィードに自然に溶け込むUGCベースの広告が効果を発揮しやすくなります。

ヤマハ発動機様では、広告に関する調査を行っていた際にUGCと通常のクリエイティブにおける広告効果を検証したところ、一部の媒体においてUGCの方が2倍以上高いという結果が出たという話が印象的でした。

メルマガやニュースレターでの紹介

UGCをメールマーケティングのコンテンツとして活用することで、受信者に信頼性の高い情報を提供し、ブランドへの親近感を高めることができます。例えば、「他のお客様からこんな声が届いています」といった形でUGCを紹介し、商品やサービスの実際の利用者の声を伝えることができます。

他にも店舗内ポスターやパンフレットにUGCを取り入れることで、店頭での訴求力を高めることも可能です。消費者の声を引用することで、商品の信頼性を高める効果があり、購買を促進する一助となります。

二次利用時の注意点:投稿者の許諾取得の重要性

UGCを二次利用する際には、投稿者の許諾を得ることが重要です。消費者が自発的に作成したコンテンツは著作権の対象となる場合があり、企業が勝手に利用することはトラブルを引き起こすリスクがあります。リポストやWebサイトへの埋め込み、広告での使用など、UGCをマーケティング素材として活用する場合には、投稿者に事前に連絡し、許諾を得ることが推奨されます。

許諾を取得することで、投稿者との信頼関係を築くことができ、企業のコンプライアンス遵守への姿勢を示すことにもつながります。また、許諾取得の過程で、投稿者に対するインセンティブや特典を提供することで、さらなるUGCの発生を促進することも可能です。

UGCの二次利用は効果的なマーケティング手法である一方で、法的なリスクにも注意を払う必要があります。投稿者の許諾をしっかり取得し、安心してUGCを活用できるような体制を整えることが大切です。

UGCを分析し、顧客の声をデータに変える意義

UGC(ユーザー生成コンテンツ)を分析することは、単にコンテンツを二次利用するだけでなく、顧客の声をデータとして活用するための重要な手段です。消費者が自発的に発信する口コミやレビュー、SNS投稿には、商品やサービスに対する率直な評価や意見が含まれており、それを分析することで多くのメリットが得られます。

1. 顧客インサイトの取得

UGCを分析することで、顧客がどのような点に満足しているのか、どのような不満や改善点があるのかを把握することができます。これにより、顧客のニーズや期待に応じた商品開発やサービス改善が可能になります。特に、SNSやレビューサイトに寄せられるフィードバックは、企業が自社製品やサービスに対する市場の反応をリアルタイムで把握するための貴重なデータ源です。

2. トレンドの把握と競合分析

UGCを通じて、業界や市場の最新トレンドを把握することができます。消費者の投稿内容から、どのような商品が人気なのか、どのような問題が話題になっているのかを分析することで、競合他社との差別化ポイントを見つけることができます。競合の商品レビューやSNS投稿も含めて分析することで、自社の強みや改善点を明確にすることが可能です。

3. マーケティング戦略の最適化

UGCの分析結果を基に、マーケティング戦略をより効果的に最適化することができます。例えばSNSで話題となっているキーワードや人気のハッシュタグを把握し、それに関連するキャンペーンを展開したり、特定の製品に対するポジティブなフィードバックが多い場合、その製品を中心にプロモーションを強化するなど、データに基づいたマーケティング施策の展開が可能です。

UGCを分析として活用することにより、顧客の声を有益なデータとしてマーケティング活動や事業戦略に反映させることができます。企業はこのデータを活用することで、顧客との関係性を強化し、競争力を高めることができます。

観光庁のDX推進プロジェクトの一つである「福井県観光DX推進コンソーシアム」では、この思想において全国的に観光実態データの把握・活用が乏しく、企画立案や商品開発が勘と経験に頼ってしまっているという課題にフォーカスしています。データを活用し、今までにない気づきや商品の企画開発を行うことにより、新たな観光地開発や既存観光地の磨き上げを行い、どのように「稼ぐ観光」を実現していくかという課題に取り組まれました。

長期的な視点でUGCマーケティングの効果を測定

UGC(ユーザー生成コンテンツ)マーケティングの効果を測定する際、単にサイトのコンバージョン率(CVR)や一時的な成果だけに焦点を当てるのではなく、長期的なブランディングの視点で評価することが重要です。UGC施策の本質的な目的は、価格競争から抜け出し長期的なロイヤルカスタマーを育成することにあります。そのため、短期的な数値指標だけでなく、以下のような長期的な観点から効果を評価する必要があります。

長期的な視点での効果測定の重要性

UGCマーケティングは、短期的な売上やCVR向上だけを目指すものではありません。顧客がブランドとの関係性を深めることで、長期的に持続するロイヤルカスタマーを育て、価格要素に左右されない価値を提供することが究極の目標です。そのため、効果測定では、消費者との関係性がどれだけ深まったかを評価する指標を設けることが重要です。

適切なKPI(重要業績評価指標)の設定

UGCの効果を測定するためには、長期的な目標に合わせた適切なKPIを設定することが不可欠です。以下では、具体的なKPIの例を紹介し、それぞれの指標が持つ意味や目的を説明します。

ブランドエンゲージメント

SNSでのエンゲージメント率(いいね、シェア、コメント数など)を長期的に追跡し、顧客がブランドにどれだけ関心を持ち、積極的に関与しているかを評価します。エンゲージメントが高いほど、ブランドと消費者との関係が強固であることを示し、ロイヤリティ向上にもつながります。

ロイヤルカスタマーの増加

UGC施策を導入する前後でのリピート顧客の数や頻度を比較し、UGCが顧客のロイヤリティを高めているかを測定します。長期的にブランドを支持してくれる顧客が増えることは、企業の安定した成長に不可欠です。

ブランド検索数の推移

Googleなどの検索エンジンでのブランド名の検索数を定期的にチェックすることで、UGC施策がブランド認知度の向上に寄与しているかを確認します。検索数の増加は、消費者の興味関心が高まっていることの指標となり、ブランディングの効果を測る上で重要です。

顧客の声のポジティブ率

口コミやレビューの中で、ポジティブなフィードバックの割合が増えているかをモニタリングします。UGCを活用することで、顧客のブランド評価が向上しているかを判断することができ、施策の効果を定量的に示す指標となります。

本記事のまとめ

UGCマーケティングは、顧客の声を活用して信頼性の向上やブランド価値の向上を図る強力な手法です。UGCの獲得、二次利用、分析を効果的に行い、長期的な視点での効果測定を行うことで、ロイヤルカスタマーの育成と価格競争からの脱却が可能になります。持続的な成長を目指すためのUGC活用は、企業にとって欠かせない戦略です。

この記事の内容は、EmbedSocialが3,000ユーザー以上のベストプラクティスをまとめたホワイトペーパー(100ページ超)からの抜粋です。さらに詳しい内容を見たい方は、以下よりホワイトペーパーをダウンロードいただけますと幸いです。

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