Instagramを活用したビジネスをご検討ですか?それならInstagram APIの活用を検討することをお勧めします。InstagramAPIは様々データへのアクセスを可能にし、皆さんのビジネスの成長を後押ししてくれるはずです。
しかし実際に業務で使用している場合を除いて、体系的にAPIの仕組みを理解することが難しいかもしれません。そこでこの記事では、エンジニア以外の皆さんにも分かりやすく、Instagram APIとは、その種類や特徴、活用事例などを網羅的に解説していきます。
APIとは「Application Programming Interface」の略で、アプリケーション間の機能やデータを共有するためのインターフェースを指します。APIを使用することで、開発者は他のソフトウェアやサービスの機能を簡単に統合し、社内用のアプリケーションや新たなサービス(サードパーティアプリ)を構築することができます。
Instagram APIとは、Instagramのプラットフォーム上のデータにアクセスするためのAPIです。このAPIを使用することで、Instagramアカウントのデータへアクセスが可能になり、データの取得やユーザーアクションの自動化、サードパーティアプリ上でのインスタグラム投稿の作成などが可能になります。
開発者はこのAPIを使用して、独自のアプリケーションを開発したり、サービスを構築することができます。
Instagramプラットフォームからは2024年1月現在で、Instagram基本表示APIとInstagramグラフAPIの2つのAPIと、Messengerプラットフォームから1つのInstagram用Messenger APIが公開されています。
Instagramに限らず、ソーシャルメディアのAPIは新機能の追加や変更が頻繁に行われます。ここではInstagram APIについて、近年の主な変更や機能リリースをご紹介します。
2020年6月にInstagramの旧APIが廃止され、従来提供されていた内容は Instagram基本表示API・グラフAPI という2つのAPIに新たに生まれ変わりました。新しいAPIへの切り替えの目的は、Instagramユーザーのプライバシーと安全を保護しながら、消費者コンテンツを利用した各種開発を可能にすることでした。
基本表示APIの導入に伴う新しい機能の例として、Instagramの設定画面からユーザー自身が現在どのツール/アプリにアクセスを許可しているのかを確認できるようになりました。不要なツールやアプリにいつまでも情報を提供し続けることがないように、というAPI変更の目的が現れている機能の例と言えます。
2021年1月、InstagramのグラフAPIの新機能として、コンテンツ公開APIがリリースされました。この機能により、サードパーティアプリでInstagramコンテンツを作成し、即時公開や予約投稿が可能になりました。
2021年6月より、すべてのInstagramビジネスアカウントはInstagramメッセージAPIを活用することができるようになりました。これによりInstagramのダイレクトメッセージ(DM)などを通して獲得した顧客からの問い合わせに対して外部ツールを利用して管理・返答することができるようになり、DMのビジネス上での活用が大きく促進されました。
参考:Instagram用のMessenger APIをすべての開発者に公開、ビジネスがInstagram上でより充実したメッセージング体験を提供できるように
Instagram APIはアカウントの種類によってアクセスできるデータが異なるため、APIの詳細を理解する前に、ここで一度Instagramのアカウントについて整理しておきましょう。
インスタグラムのアカウントは個人用アカウントとプロアカウントがあります。プロアカウントはビジネスアカウントかクリエイターアカウントとして設定することができます。
ビジネスアカウントでは、ストーリーズ、投稿、フォロワーに関するインサイトを利用することができ、インスタグラムをマーケティングツール活用するための機能が付与されます。インスタグラムは近年広告やEコマースに関する新しい機能を相次いで公開していますが、それらの利用にはこのビジネスアカウントが必要なため、企業や個人事業主でビジネスを行っているユーザーはこのビジネスアカウントの利用が推奨されています。
インスタグラムは、多くのフォロワーに影響を与えるいわゆる人物をプロアマ問わず「クリエイター」と呼んでいます。クリエイターアカウントに切り替えると、フォロワーの管理や数の推移を確認することができるようになったり、ビジネスアカウントとコラボレーションして投稿を広告としてインスタグラム上に表示できるブランドコラボという仕組みの利用が可能になったりします(一定数のフォロワー数がいるなどの制限があります)。
上記二つのアカウントに該当しない一般ユーザーのアカウントです。基本的なプロフィール情報の表示や写真・動画の投稿が行えます。
以上がインスタグラムのアカウントの種類でした。ここからは各APIの特徴を解説していきます。
Instagram基本表示APIは、外部のアプリケーションがユーザーのInstagramアカウントの基本的なプロフィール情報、写真、動画にアクセスすることを許可sます。基本データに対する読み取りアクセス権のみ提供されますが、どのタイプのInstagramアカウントにもアクセスできる点が特徴です。
参考:Meta for Developers Instagram基本表示API
Instagram基本表示APIは以下のようなアクションを可能にします。
アクセストークンとは
外部のアプリケーションがInstagramのデータにアクセスするために必要な認証コードです。ユーザーがあなたのアプリケーションから自分のアカウントへのアクセスを許可すると、あなたのアプリはそのユーザーのデータにアクセスするために必要な「アクセストークン」を受け取ります。このトークンは、あなたのアプリケーションがInstagramのデータにアクセスする際の鍵のようなものです。
詳しい情報は公式のドキュメントをご確認下さい。
InstagramグラフAPI(Instagram Graph API)とは、ビジネスアカウントとクリエイターアカウントがサードパーティ開発のアプリによるアクセスを許可するためのAPIです。利用可能なアカウントに制限が発生しますが、Instagram基本表示APIより高度な運用が可能で、ハッシュタグやメンションのついた投稿の発見などが可能になります。
InstagramグラフAPIは、ハッシュタグやメンションのついた投稿の発見など、以下のようなアクションを可能にします。
詳しい情報は公式のドキュメントをご確認下さい。
2021年6月に新たに追加されたInstagramメッセージAPIを活用することで、外部アプリケーションからInstagramのダイレクトメッセージ(DM)などに回答することができるようになりました。
オンラインで展開するビジネスにおいては、Eメールや問い合わせフォーム、ソーシャルメディアなど顧客窓口が多岐にわたり管理が難しくなったことで『Zendesk』のように様々なプラットフォームのメッセージを集約しチケット化できるツールが生まれました。このようなツールでは、InstagramメッセージAPIの登場により、Instagramからの問い合わせに対しても一元的に管理することができるようになりさらに利便性が向上しました。
また人の手でメッセージに対して回答するのではなく、AIを活用したチャットボットにより回答を作成するツールも数多く登場しています。InstagramメッセージAPIの登場によりInstagramのDMなどにおいて自動の回答を用意することが可能となり、カスタマーサポートの負担軽減やセールス機会損出を削減することが見込めます。
InstagramのAPIを活用した自社開発を行うことはもちろん素晴らしいことですが、InstagramAPIを統合したサードパーティアプリを上手に活用することで、さらに大きなビジネスの創出にリソースを割くこともできます。
Instagram APIを統合したサードパーティアプリは様々な分野で創出されており、Instagramのデータや機能を利用したユニークなサービス構築を実現したり、マーケティング戦略を強化しています。
以下に、Instagram APIが活用されているサードパーティアプリの種類を紹介しましょう。
Instagram上で公開されている一般の人々が作成した投稿(ユーザー生成コンテンツ)を活用したマーケティングの分野での活用例です。ハッシュタグや地理的位置情報を利用してUGCを集めたり、特定のテーマやイベントに関連するコンテンツを表示するといった利用ケースがあります。またUGCを活用したプロモーションやコンテストを実施なども、Instagram APIを統合したアプリケーションにより実現できます。
Instagram APIを通じて取得したデータを各種分析に活用する利用例です。例えば投稿やキャンペーンのパフォーマンスを分析し、エンゲージメントやリーチなどの指標を把握することができます。また、フォロワーの行動や好みを理解し、ターゲティングを改善することもできるでしょう。
Instagram APIのコンテンツ公開機能を使って、外部アプリからInstagramの投稿を作成して即時公開したり予約投稿するといった利用例です。また、Instagramコンテンツをウェブサイトや他のソーシャルメディアプラットフォームと統合するケースも考えられます。
影響力のあるユーザーであるインフルエンサーを特定し、自社のブランドのメッセージ拡散に協力してもらったり、コメントやいいねを管理し、ユーザーとの関係を深めると言った利用例です。
Instagramのビジュアルデータを利用して、アート作品やビジュアルストーリーテリングを展開することも可能です。さらに、ライブイベントや展示会でのリアルタイムの写真やビデオの共有などでもAPIを活用することができるでしょう。
広告キャンペーンにおいては、ターゲットオーディエンスに合わせた広告を配信し、ブランドの認知度やコンバージョンを向上させることにInstagram APIを活用できます。また、Instagramショッピング機能を活用して、商品の直接販売を促進するといった場合にもAPIが機能します。
これらの活用例は、Instagram APIの潜在能力を活用して、ユーザーエンゲージメントを高め、ビジネス成果を向上させるための多様な方法を示しています。各カテゴリーにはさらに多くのサブカテゴリーや具体的な実装方法があり、プロジェクトやビジネスの目的に応じてカスタマイズ可能です。
UGC活用ツール『EmbedSocial』では、Instagam APIを活用して、Instagramからの投稿収集機能や、Instagramフィードへの投稿公開機能を提供しています。
ハッシュタグやメンションをもとにInstagramから投稿を収集することで、自社に関連するSNSの口コミを集めることができます。顧客対応の向上を目的として口コミをリスト化したり、掲載許可を得たものをWEBサイトに口コミとして埋め込むことでCVR改善を目指す(UGC施策)ことが可能となります。
通常では24時間以内に消えてしまう自社アカウントのストーリー投稿を収集・保存し、自由自在に組み合わせて再活用することが可能となります。『EmbedSocial』では、投稿の取得だけでなくWEBサイトに埋め込むための専用コードを自動で生成してくれるため、最新のお知らせをストーリーから投稿し、ホームページ上でも自動で告知を行うことが可能となります。
EmbedSocialではInstagramの投稿を作成し、即時または予約公開をすることができます。これにより、SNSの運用担当者は計画的な投稿活動が可能となり、また投稿したコンテンツをウェブサイトやLPなどで再利用することも簡単にできます。
Instagramから投稿を収集する際に、いいね数を合わせて取得することができます。公式アカウントでどの投稿が話題になったかを知ることができるほか、ハッシュタグなどより投稿を集める際にはいいね数順に並べることでインフルエンサー投稿を簡単に抽出することができます。
『EmbedSocial』では、取得した投稿データをエクセルまたはCSV形式でレポート化しダウンロードすることができます。管理画面からの設定で誰でも簡単に操作可能なため、グラフAPIを個別で開発するのと比較して作成コストを大幅に削減することが可能となります。
Instagram APIは、皆さんのビジネスとInstagramユーザーコミュニティをつなぐことができ、ビジネスの進化にも大きく貢献する重要なツールです。この記事を通じて、その内容や活用例などを深く掘り下げました。
この記事が、Instagram APIの概要とその可能性を理解する一助となれば幸いです。
今後もInstagram APIの最新情報に注目し、その変化に柔軟に対応していきましょう。